気になる 新型コロナ抗体検査 とは

今現在、元気でなんの症状もない方でも、
自分が新型コロナウイルスに対してどうなのか、気になりますよね。

活動自粛を行った理由のひとつは、
感染しても無症状の人がいるから、でした。
厚生労働省によると、新型コロナウイルスの潜伏期間は1-12.5日(多くは5-6日)。
濃厚接触者が感染したときに、14日経過観察を行うのはこの潜伏期間を経るためです。

無症状であるにもかかわらず、私達が不安を抱く大きな理由は、
すでに新型コロナウイルスに感染したが
自身の免疫機能で克服したのか、
それとも、まだ新型コロナウイルスに接触したことがないのか
全く知るすべがないからではないでしょうか。

もし「今、この瞬間どうなのか」がわかれば、
少しでも自分の免疫機能に自信がつきますし、
これからもますます健康に気を遣う励みになるかもしれません。

ウイルスなどの異物が初めて体内に侵入したとき、
まず体の中でIgM抗体を産生し、しばらくするとIgG抗体を産生します。
IgM抗体、IgG抗体というのは、免疫系の細胞がつくるタンパク質のことで、
ウイルスなど有害な異物の病原性を中和して体を守っています。

あとからできるIgG抗体は、二回目以降の異物との接触では
一回目の接触時よりも迅速に、しかも大量に産生します。
そうすることで、繰り返し感染しても速やかに病原性や異物を中和し、
症状を呈しないように自らを防御するのです。

このような体に備わった免疫反応が 抗原抗体反応 です。
この反応を応用した抗体試験試薬は今までも
感染症の検査領域で利用されてきました。
IgM抗体、IgG抗体は、異物にカギと鍵穴のように結合するので、
何の異物にさらされているのかを特定できます。
さらに、それぞれ産生される時間差と、その量を検出することによって、
今現在、感染のどの段階にあるのかがわかるのです。

新型コロナウイルスの病原菌であるSARS-CoV-2は、
まだまだわからないことだらけですが、試薬は一般の方でも
現在入手できるようです。

試薬でわかることは、今現在の抗体の有無です。
つまり
陰性 = 抗体が全くない = 感染したことがない、あるいは感染したが現在潜伏期の初期なので、まだ検出できるほどの抗体はできていない

IgM、IgG陽性 = 感染して、現在十分な量の抗体が、病原菌を中和している最中

また、試薬を一度だけ使用した結果が陰性でも、
PCR検査と同じく、日をおいて改めて試薬の結果をみることも大切です。
試薬ではありますが、全く何もわからないで不安なままでいるより、
今どうなのか、が分かると少し気分が晴れるかもしれません。

結果がいずれであっても、忘れてはならないことは
新型コロナウイルスは自分が無症状でも他人には重篤な症状を起こさせてしまうかもしれないこと、
一旦治癒しても、再び感染して発症することがあること。
すなわち、抗体を産生する能力はあるが、
体力が落ちていると新型コロナウイルスのほうが私達の体の免疫機能を上回るということがわかっています。

予防が一番と心得て、手洗い、うがいは引き続き励行しましょう。

文責:金子明(薬剤師)

参考文献:
■ 厚生労働省「新型コロナウイルスを防ぐには」
■ 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
■ 国立感染症研究所 迅速簡易検出法(イムノクロマト法)による血中抗SARS-CoV-2抗体の評価


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