歴史・交通・食。あらゆる面から広島の魅力に釘付け【旅行記#4】
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みなさんこんにちは。しばらく更新が空きましたがいかがお過ごしでしょうか。今回は一度行ったらやみつきになること間違いなしの平和都市広島に関する記事です。
序文
3日休めば9連休じゃん?
9月は祝日が2日ある。敬老の日と秋分の日。敬老の日は月曜日で固定されているため3連休は保証されるのだが、秋分の日を含む3連休となるのは秋分の日が金曜日あるいは日曜日・月曜日に来ないといけない。2022年は幸い秋分の日が金曜日で、火曜から木曜まで有給休暇を取れば9連休になった。土日は予定があったものの、連休のはざまを活用した5連休。GWとお盆は実家へ帰省してしまうし、これは旅行に行くしかない。そう思い立ち、各種旅行サイトで情報を収集した。
4泊5日でどこへ行く?
就職して以来初の個人旅行。せっかくなら飛行機でどこかへ、と思っていると春秋航空のサイトから「広島まで片道3980円~」という文字が飛び込んできた。広島。行ったのは小学校の修学旅行以来、平和学習で三角州エリアと大久野島に行ったくらいだ。再訪するのもありかもしれない。
観光としては宮島・原爆ドーム等々のコースが定番なようだが、それだけでは5日間も持たない。広島出身でUターン就職した大学の友人に話を聞くと、第一声に「宮島はいいぞ」とのことだった。島内に泊まり、朝から弥山に登ったときの景色が素晴らしいらしい。そのほかにも、西条の酒蔵通りや呉の海岸風景などをおすすめされたので、空港到着後はまず宮島へ行き、そこから東へ向かいつつ観光する、というおおまかなシナリオを構成していた。
Day 0
いざ、出発・・・?
上述のとおり、初日は成田から広島空港へ飛び、バスで市内へ。市内からは電車と船を乗り継いで宮島へ行く…はずだった。ところが、まさかの台風直撃により行きの飛行機が欠航となり、日程が丸1日消し飛んでしまった。飛行機の振替と宿のキャンセルは無事対応してもらえたので金銭的には身を切ることはなかったが、宮島での宿泊体験ができなかったのは残念である。鳥居はまだ改修中だったからほぼノーダメージということにしておく。
Day 1
広島市内へ
気を取り直して、成田へ向かう。広島市内までの行程は上記の通り。ちなみに広島空港からは各主要都市へバスが出ている。広島駅までは1時間くらいだ。各所で再開発が進んでいるなと感じたのが広島駅に着いたときの第一印象だった。サミット開催の前年ということで工事も大詰めだったのだろう。市民球場跡地は公園になり、その近くにサッカースタジアムもできる。公園は今年完成したが、スタジアムができた後の街を訪れるのも楽しみだ。
変わりゆく街並みに思いをはせながら広島に着いて最初の食事へ向かう。広島の食といえばお好み焼き、牡蠣、もみじ饅頭、むさしの唐揚げ弁当、汁なし担々麵と名物を挙げればきりがない。迷いに迷ってたどり着いたのはなんと「夢を語れ 広島店」。
わざわざ二郎系かよ、と思われるだろうが、旅はまだ3日ある。上述のグルメも満喫しているので気長に待ってほしい。二郎系ラーメンにご当地色はあまりないと思うので感想は割愛する。
ひさびさに胃の容量いっぱいに詰め込んだあとは散歩をしながら白島方面へ。ここで大学時代の友人と合流する。今回の旅程を組むときに大変世話になった。彼は広島の出身で、就職と同時に地元へ帰ったのだが、結局脱サラして会計士を目指すらしい。がんばれ。
彼の持っていたサービス券でサウナに入ったり、ホテルにチェックインを済ませたりしているとあっという間に夕方である。
広島といえば
夕方からはメインイベント、カープの試合観戦である。広島駅から東に進むと、飲食店が店頭で弁当やつまみを販売している。距離はあるが、歩いていても飽きることはない。カープロードでは歴代のメンバーに関する展示もあり興味深かった。
いざ入場手続きを済ませて球場の中へ。フィールドの眺望に期待を膨らませているとコンコースを歩く足も自然と速くなる。だが決して走ってはいけない。階段を上り、ゲートを抜ける。いよいよだ。
試合までは時間があるので、球場内を散策する。マツダスタジアムならではのバーベキューシートや寝そべりあを見て回る。ちなみにライトのコカ・コーラの広告の下にはジムがあり、運動しながら試合を見ることができるそうだ。
球場内の食に関しては満足度がそれほど高くないそうだ。駅から球場までの道でたくさん弁当が売られているのも納得だ。せっかく来たのでカープうどんを食した。
ドラゴンズ戦だったこともあり、22年の5-6位対決は驚くほどつまらなかったものの、大満足の球場訪問であった。今年日本シリーズが開催されたらぜひとも行きたい。
Day 2
市内を散策
翌朝は再びサウナから始まる。押し付けられたサービス券を消費し、広島城・ひろしま美術館・原爆ドームを訪問した。本当はリニューアルされたらしい平和記念資料館も見学したかったのだが、修学旅行生であふれていたため断念した。
電車めぐり
市内の観光地をひととおり回ったところで、昼食へ。今日は汁なし担々麵。
ここからはひたすら電車(?)に乗る。まずは本通駅からアストラムラインに乗る。広域公園までを結ぶ新交通であり、スポーツ・通勤・通学等幅広く使われている。JRとの乗り換え駅である大町までではいい写真を撮れるスポットがなかったため写真は割愛する。
大町からはJR可部線で広島駅へ。2003年に一度廃止されたが2017年に復活した珍しい路線だ。
広島駅からは山陽本線を東へ進み瀬野で下車。オタクには「セノハチ」でおなじみの地だ。急こう配で名をはせる通り、降りる前から山がちな気配を感じていた。
このレールは瀬野駅と山の上の住宅街をつなぐゴンドラの線路だ(スカイレールという。24年3月で営業終了予定)。アトラクション感覚で乗ってみた。
酒どころ・西条
瀬野に戻り、山陽本線をさらに東へ。セノハチを越えて、東広島市の西条駅に降り立つ。ここは灘・伏見とならぶ酒どころであり、駅前に10軒弱の蔵が集まっている。
本場の日本酒を堪能したあとは、もちろん本場のお好み焼きを食すに限る。
私は大阪の生まれだが、どっちが本場だと論戦をするつもりはない。そば入りの本場は広島だし、粉もんの本場は大阪だ。それだけのことだ。
Day 3
軍港のまち・呉へ
日本酒を堪能した翌日は、酔い覚ましに井戸水を補給してからのスタートとなる。東に進んできた山陽本線を折り返し、呉線との乗り換えである海田まで戻る。呉線は瀬戸内の海岸線を臨みながら走る素晴らしい路線である。
呉駅に着くと真っ先に軍港クルーズの申し込みに向かった。歴史を考えてもこれは外せない。
クルーズを終えて駅周辺を散策。大和ミュージアムでは大戦の経過やそれを残そうとした作家たちの一生を追体験し、てつのくじら館では潜水艦内部を見学した。模型ではあるがその形をみると人類が進化させてきた技術のすごさを感じる一方で、戦争で破壊されたためそれがもうこの世には残っていないことを改めて突き付けられ、はかなさを感じた。
海軍カレーとがんす(魚のすり身に玉ねぎと唐辛子を練り込んで揚げたもの)を食し、その後は港の風景を俯瞰するため自転車をレンタルした。都会のような電動アシスト自転車ではなく普通のママチャリである。港の見える丘公園を目指す途中で入船山記念館に寄る。軍港として栄えていた当時に偉い人が住んでいた和洋折衷の住宅が残されているスポットだ。隣に美術館もあり、芸術に興味がある方は訪れてみるといいだろう。
いざ港の見える丘公園を目指すが、なんとも坂が急なのだ。地図では大した距離ではないのだが、かなり疲弊してしまう。道も歩道が整備されておらず、休憩することもままならなかった。
さらにはずれを目指す。海沿いのサイクリングは風こそ気持ちいいが、それ以上にアップダウンの激しさが脚に堪える。
へとへとになって駅付近へ帰り、夕食。銭湯に入りすぐに寝てしまった。銭湯も昔ながらの雰囲気があってよかった。
Day 4
塩のまち・竹原へ
広島ののどかな雰囲気、おいしい食事にすっかりはまってしまったが、旅もいよいよ最終日。呉に別れを告げ、呉線に乗り東へ向かう。
最後の目的地は竹原。かつて製塩で栄えた街だ。駅前アーケードはがらんとしていて過疎の波に飲まれた地方都市のような感じを受けたが、少し歩くと江戸時代の街並みを残した一角がある。
ここには製塩事業で一財を築いた富豪一家の住宅や、儒学者の頼一家の住宅も残されている。その中に酒蔵もあり、藤井酒造と竹鶴酒造が今も日本酒を全国に送り出している。
こうしてバスで空港へ戻り、この旅も終了である。折り返し運行をしていた春秋航空の使用機が出発時刻になっても成田を離陸しておらず、3時間以上遅延するトラブルもあったが、無事帰ってくることができた。
総括
交通の多様さ、きれいなオーシャンビュー、食と酒のうまさ、人の温かさ、どれをとっても非常に満足度が高い訪問であった。かつての要衝として栄えた街も寂れかけている雰囲気はあったが、失ってはいけない日本の良さが眠っていた。地震等の災害リスクの低さも含めて、現時点では移住先の第一候補である。宮島も含めて再訪したいエリアである。
(酒は通販で買いこんだ。四合瓶を一度開けると早く飲まねばとプレッシャーを勝手に感じてしまうので、醸造酒を買うならコンパクトに済ませようというのがこの旅を通して得た一つの教訓である。)
おいしかった日本酒を共有して締めとさせていただく。次回作をお楽しみに。
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続編へのご期待、ありがとうございます! いただいたサポートは旅費の足しとして宿・現地での飲食・交通手段に使わせていただきます。その内容も記事にしますので楽しみにして待っていてください。