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これからの学生サポートの充実は”つながり”が鍵!?コロナ禍が生んだ8女子大学が連携した就活サポート。

コロナ禍に一気に普及したオンラインの利点は、場所や時間などの物理的な壁を取り払うことができることだと思います。これら壁がなくなることによって、今まではつながりにくかったものが、いろいろとつながれるようになりました。今回、見つけた取り組みも、そんな新たなつながり方を感じさせる一例です。オンラインを活かして何かとつながる、というのは、これからの大学にとって大事なテーマになりそうです。

プレスリリースで取り上げられているのは、東京女子大学を含む8つの女子大学が合同で開催する「オンライン就活ゼミ」についてです。女子大学のみ8大学が連携し、参加人数も500名という規模感。オンラインが普及した今だからこそできるように感じます。

本取り組みは学生間のピアサポートを主体にした取り組みなのですが、リリースによるとこの取り組みをはじめたことで、タテ(同学年)、ヨコ(先輩後輩)に加え、ナナメ(大学を越えた先輩後輩)のつながりが生まれたと書かれています。女子大学ないし女性に共通する特有の就活の悩みや課題というのはあるように思いますし、それに対応するための知恵は、多方面からもらえた方がいいに決まっています。そう思うと、大学間の壁を越えてアドバイスをもらえる本取り組みは、学生にとってとても有意義です。

また、就職活動はもともと個人的な活動としてはじまり、それを徐々に大学がサポートするようになりました。その後、受験生にとってアピール材料になることがわかり、全学的な取り組みとして定着したように思います。

アピール材料として使うには、他よりも手厚いこと、優れていることが重要です。そう思うと、今回のように競合大学(今回であれば首都圏の女子大学)が協力し合うというのは、めずらしい事例なのかなという気もします。

これが実現できたのは、関連する大学が特別に学生思いだったからなのか、それとも就活サポートというものが、オンラインの普及によって変わろうとしているからなのか、今回の1件だけでは判断できないものの、後者であればとても興味深いです。

大学教育と学生サポートは、取り組みとしては根っこから異なるものの、学生の体験という意味では地続きです。学生サポートには、就活サポート以外にも、留学、資格取得、学生生活、クラブ活動など、さまざまなサポートがあり、これら支援が充実すると、学生が学生時代に得られる成長や満足感に大きな差が出てくることは間違いありません。

大学の魅力アップを考えるとき、つい大掛かりなことを考えてしまいますが、費用にも時間にも人にも限りがあります。自大学のリソースだけで拡充することが難しいなら、大学間の壁を越えてつながりをつくり、それをつなげていくことで、サポートを厚くしていく。そんな活動が増えれば、これまでとは違うベクトルでサポートの質を上げられるのかもしれません。オンラインの普及は、これを容易にさせる大きな因子になりそうです。今回の取り組みは、そんなことを考えるための良いヒントになるのかなと思いました。

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