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優しい暗闇

5月の初めは 末っ子のお誕生日だった。
誕生日前っていうのは、なぜにこんなに ふわふわするのだろうね。

『あと、なんかいねたら たんじょうび?』
『ぼくのけーきには、マリオをかいてね!』


数週間前から もう自分の誕生日を察知して、誕生日のことを思い出す度にあれこれと希望を伝えてくる。
食べたいもの、ほしいもの、キラキラした希望は
本当に可愛らしい。

この数年、普段はお店の美味しいケーキを食べるのに、誕生日やお祝いのケーキは 私が作る。
と言ってもスポンジは市販のものを買ってきて、
クリームも生ではなくホイップで、中身は大抵バナナかキウイ、時期が良ければイチゴ。

私だったら お店のケーキが食べたい。
断然美味しくて、見た目も美しい。でも子どもたちは、誕生日ケーキは私が作ると思っていて なんだか嬉しい。

ちょっとだけ自慢出来ることといえば、チョコペンで本人達の好きなキャラクターの絵を割りと上手に描いてあげれることだ。昔からお絵かきは大好き。
今年はマリオカートに乗ったマリオを描いたけど まあまあ下手でまあまあ似てるっていう、なんか負けた感があったのでリベンジ希望。
数時間前まで すみっこぐらし の予定で完全に油断してたことが敗因。子どもってきまぐれすぎる。

なにより、一緒に デコレーションするのも楽しい時間だ。だいたい果物を切るのは子どもたちの係りで、果物の大きさのバリエーションがすごい。
ぺらっぺらの数mmのものから、5cm以上のものまで幅広いが面白いからそのまま採用だ。挟む時はクリームで調整すればいい。

もう、家族の全部を合わせたら 何回お誕生日をお祝いしたんだろう。ケーキも、何回作ったかな。料理のリクエストは断トツでポテトが1位だ。(料理ちがう)

嫌な思い出の誕生日もあったな。
誕生日だからっていつも素晴らしい1日とは限らない。そんなもんである。

でもこれからも まだもう少しこの感じで
お誕生日のお祝いをしたいなあ。
優しく幸せな暗闇を作って おめでとうの歌を歌って ろうそくを吹き消して ケーキやごちそうをいっしょに食べたい。

お誕生日 おめでとう。