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#2 離乳食を食べないと悩むママに伝えたいたった一つのこと


物を言わぬ赤子を育てるママが一度は心につぶやくであろう言葉。それは、
「この子がしゃべれるならば」

どうして、この子はこんなにも泣くの。
どうして、この子は寝てくれないの。
どうして、この子は私がつくった離乳食は食べてくれないの。

序論

まあ、たいていの物言わぬ赤子は、2、3年後にはうるさいぐらいにしゃべり倒す幼児に成長するんですけどね。

そして、そうして思いを的確に言語化できるようになったわが子からは、思いがけないときに、赤子時代に親が抱いていた疑問の思わぬ答えが語られることがある。

本論

それは、子どもがちょっと体調を崩したある日のこと。


「御飯、食べられそう? おかゆにしようか」


「おかゆはやだ。やわらかくて、味がうすいもん」


やわらかくてうす味。それこそがおかゆの存在意義。
こうして、おかゆをあっさり全否定した我が子は、栄養ゼリーを手に取った。

その言葉を聞いた瞬間、母の脳裏にある思いがうかび、すかさず聞いてみた。
「ひょっとして、おかゆってあまり好きじゃない?」


「うん。前から」


「ずっと前から?」

「まあね」


確かこの子が生後7か月ぐらいのとき。
育児本のセオリーどおりに初めての離乳食、おかゆを作るべく、奮闘していたころの自分の姿が心に浮かんだ。
30分ほど水につけて給水させたお米を、お鍋でコトコト火を通し、トロトロになるまで煮込んだ10倍がゆ。さいしょは1さじからあげましょう、という本どおりに作ってさしだしたおかゆを…。
「んべええ」
やつはあっさり拒否しよった。

もともとわが子は、「低出生体重児」になるかならないかぐらいの体重で、ややフライング気味に生まれてきた。そして当然、その後の体重も、成長曲線の下限ギリギリをはっていた。
1カ月検診に連れて行ったときは、隣の子が我が子と比べてもあまりにも大きいので、
「この人、6カ月検診と間違えてない?」
と内心思ったほどである(それもある意味失礼な話だが)。

そんな感じなので、ここで離乳食をガンガン食べて、体重をどんどん増やしてくれ、という母の無駄に熱い思いが込められた離乳食ライフのスタートであったのである。

しかし、まあ、案の定というか、やっぱりというか、そうやって作った離乳食もちびちびとしか食べてくれない。なのに、市販のベビーフードはそれなりに食べる。

こうして、当時の私は実に分かりやすく、新米ママが陥りがちな
①離乳食を食べてくれない
②体重が増えない
③すべてはママである私のせい?

という3段活用トラップの闇に落ちていったのである。

結論

しかし、結論からいえば、
「赤子がおかゆを食べなかったのは、単に本人がやわらくて味のうすいものがそんなに好きではなかったから」
という実に分かりやすい理由によるものだった。

それはおそらく、無農薬栽培の有機米や、幻のお米・龍の瞳なんかを薪の火で炊き上げた極上おかゆであっても、はたまた、レトルトをチンしたおかゆであっても、同じ結果だったのではないだろうか。


そんな簡単なことが分からかったばかりに、あの当時、どれだけ悩んだことか。

だから、今の私が当時の私に、そして今、一生懸命育児をしておられるママさんたちに言いたいことは、


「気楽にいこうぜ」

食べないものは食べない。だって、本人が嫌いなんだもん。仕方ないじゃない。

ベビーフードでもなんでも、喜んで食べてくれるなら、それでいいじゃんということです。

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