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#45 ライター人生相談

先日、Twitterのスペースにて、Webライターさん同士の対談がありました。

表向きのタイトルは、一定の成果を収めたWebライターが今後どのようにしてビジネスを拡大していくかでした。しかし、終盤に差し掛かるころには、なんだか少し風向きが変わってきたように感じたんですね。

あくまでもわたし個人の印象では、悩める若手Webライターが先輩に今後の生き方の相談をしているような感じに聞こえました。

とはいえ、そのWebライターさんは最高月商160万円だの、コンテンツの累計売上が260万円だの、同年代のWebライターの中でも本当に輝かしい成功をおさめている方です。

ただ、今回の対談を聞く限り、一定以上の実力を積んだWebライターには、ビジネスにおいてはブルーオーシャンが待っている。しかし、ビジネス的に成功をおさめたり、あるジャンルの第一認者になるなどしても、決して人生そのものがブルーオーシャンになるわけではない。

つまり、月収〇万円の人にも、〇千万円の人にも、それぞれの人生において悩みがあり、誰であれ、決してそこからは逃れられないようなのです。

さて、まるで成功を夢見ている人に冷水をぶっかけるような発言ではありますが、実はこのことを既に4000年前に指摘していた人物がいました。

実はこの人物は、

・超お金持ちで、でっかい宮殿をつくって贅沢三昧の生活をした

・一国の王として権勢をふるい、700人の妻と300人の側室を持った

・「あれいいな」と思ったものは何でもかんでも手に入れて、あらゆる快楽にふけった

しかし、それらの経験を経て得られた結論はというと、

「なんという空(むな)しさ なんという空(むな)しさ、すべては空(むな)しい」(コヘレトの言葉 一章二節)

なんですよ。

つまり、今風にいうと、

「事業に大成功して、大々的にマネタイズして、年収〇億円を達成して、フォロワー〇万人のインフルエンサーにもなったよ」

とか言って喜んでいる人に、

「これも死に、あれも死ぬ。(中略)すべては空(むな)しく、すべてはひとつのところに行く。すべては塵から成った。すべては塵に返る」(コヘレトの言葉 3章19~20節)

と、「なんだかんだ言っても、所詮、人間は最後は死んで土に返るんですよ」と冷水をぶっかけているようなものなんですよ。

しかし、この「コヘレトの言葉」について書かれた東京神学大学の小友聡教授の著書、「コヘレトの言葉を読もう」にはこうあります。

コヘレトという人は『懐疑主義者』でもなければ、『虚無主義者』でもありません。コヘレトは空しさを見つめながら、空しさにあえぐ私たちに向かって、むしろ『生きよ』『生きるのだ』と呼びかけます。(「コヘレトの言葉を読もう」小友聡より)

確かに、全ての人間はどれだけ運がよくても、100年足らずで土に返っていく、はかない存在です。

けれども、いや、むしろ、そうだからこそ、あらゆる出会いを大切にしつつ、自分に与えられた今日をとにかく生きていくことに価値があるのではないでしょうか。

今回、悩み相談をしておられた若きWebライターさんも、きっと近々さらにスケールアップした姿でお会いできるだろうと期待しています。






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