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ほとりのエッセイ

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ながれのほとりが普段考えていることをつらつらとまとめたエッセイたちです。
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2022年3月の記事一覧

#47 君の呼び名は。

先日、Twitter上のスペースにて、ライターさん同士の対談がありました。 その中で、先輩ライター(30代独身)が、後輩ライター(20代既婚)のパートナーさんのことを「お妻さん」って呼んでおられたんですね。 これを聞いたとき、わたしは一瞬何を言っているのか分かりませんでした。でも、そこから続く二人の会話を聞いているうちに、これはまさしく、 「日本語には結婚相手を呼ぶためのふさわしい敬称がない問題」 であることに気がつきました。 日本人男性がパートナーを指して呼ぶ名称

#46 国歌セイチョウ⁉

もうすぐ、わが子の卒業式。 しかし、昨今のご時世により、在校生の出席はなし、列席できる保護者も1人までとなっている。 しかも、最近子供がYouTubeでこちらを見まくっているので、せっかくの感動的な歌がダイエット推奨曲にしか聞こえない弊害が起きているし。 なぜか着用するたびにきつくなっている礼服が、まだちゃんと着られるかどうかも確かめておかねば…。 ただ、学校から配付された卒業式についてのプリントをよーく見直してみると、見慣れない言葉が書いてあった。 「国歌清聴」「

#45 ライター人生相談

先日、Twitterのスペースにて、Webライターさん同士の対談がありました。 表向きのタイトルは、一定の成果を収めたWebライターが今後どのようにしてビジネスを拡大していくかでした。しかし、終盤に差し掛かるころには、なんだか少し風向きが変わってきたように感じたんですね。 あくまでもわたし個人の印象では、悩める若手Webライターが先輩に今後の生き方の相談をしているような感じに聞こえました。 とはいえ、そのWebライターさんは最高月商160万円だの、コンテンツの累計売上が

#44 言葉の力

今はむかし、私が中学生だったころ、教科書にある文章が載っていた。 それは大岡信さんの「言葉の力」という作品である。 そのなかで印象に残っていたのが、ある染色家の方が染められた桜色の着物についてだった。 「そのピンクは淡いようでいて、しかも燃えるような強さを内に秘め、はなやかで、しかも深く落ち着いている色だった。その美しさは目と心を吸い込むように感じられた。(中略)この桜色は一年中どの季節でもとれるわけではない。桜の花が咲く直前のころ、山の桜の皮をもらってきて染めると、こん

#42 ラビット ラビット

わたしが所属させていただいているオンラインサロン、校正部にて、新しくイメージキャラクターが誕生し、その名前が発表されました。 可愛らしいウサギのキャラクターは、エダユカさん(@edayukaXD)のイラストによるもの。 そして名前は校正部員からの募集&投票で決められました。 部員ならだれでも自由にネーミングを提案できるということで、わたしも張り切って名前を考えたのですが……。 「お世話役のつっきーさん、ウサギ、つきのうさぎ、いや、これではセー〇ームーンじゃないか。とい

#41 呪術かあさん

子どもが家庭科で裁縫の授業を受け、作品(?)を持って帰ってきた。昨今は家庭科も調理実習ができないらしく、じゃあ、どうしているのかと聞いたら、「エア調理実習」とかいう、すばらしく面白味のない授業をやっているらしい。 しかし、本人いわく、もっともイヤなのは裁縫なのだという。 「裁縫なんて習って、将来、どんな役にたつの?」 確かに、家族の晴れ着を全て手縫いしたわが祖母の時代とは違い、いまどきの主婦は裁縫のスキルなどなくても、どうにか生きていける。 ただ、一つの例外を除いて。

#40「生産性」とは

久しぶりに、知人の2歳児くんのお世話をする機会がありました。 言うまでもなく、2歳児くんって本当にカワイイですよね。 ぷくぷくのほっぺ、ムチムチのあんよ。つぶらな瞳。 まだ十分に回らない舌で、一生懸命にするおしゃべり。 もう、存在自体がカワイイんです。 しかし、2歳児くんはとにかく元気です。少しもじっとしてなんかいやしない。 まあ、本人に危険が及ばない限りは極力手を出さなかったけど、それでも「ちょっと待って!」というときはある。 結局3時間ほど一緒にいただけで、

#38 うどんの町の桃源郷

桃の節句は過ぎましたが、我が家の桃の花(切り花)はようやく固いつぼみをほころばせ、一輪、また一輪と花を咲かせようとしています。 桃といえば、以前、四国に住む知人から桃の写真が送られてきたことがありました。 四国有数の桃の産地である香川県丸亀市飯山町、なかでも楠見池周辺は県内有数の桃の産地であり、春になると桃の花であたり一面が桃色に染まるほどの見ごろを迎えます。同町では「讃岐富士と桃源郷のまち」をテーマにした町おこしを続けておられるのだとか。 こんもりとした「讃岐富士」こ

#37「ペンギン」インフルエンサーに学ぶ

「リンク先を表示するときは、文字にもリンクを貼ってください」 先日、ある仕事でこんな修正指示を受けました。 わたしはこれを受けて、さっそく指示どおりに直しつつも、 「埋め込みリンクがあるのに、どうして文字にもリンクを貼る必要があるんだろう?」 なんて思っていました。埋め込みのほうが面積が広くて目立つし、なぜ同じ情報のリンクを2つも重ねて表示する必要があるのだろうかと。 そんなド素人が抱きがちな疑問の答えが、ある勉強会の場で示されたのです。 経験上、ボタンよりもテキ

#36 ぼったくりSEOライティング

「トイレが詰まっちゃった!」 「水道蛇口から水が吹き出してきた!」 こんなときには、あわててネットで業者を検索したくなる。 だが、ネット検索で上位表示された業者にはすぐに依頼しないほうがいい。 少し前に、NHKラジオでこんな趣旨の発言がありました。 結論から先に言うと、こんなときは ①まず止水栓か元栓で水を止める ②業者を検索するのではなく、大家さんやハウスメーカーの担当者などに相談する のが無難なのだとか。 理由は、「ネット検索で上位表示された業者には、違法な

#35 遠くて近い「メタバース」の世界

※下書きなしに思いつくままに書いています。多少の不備はお見逃しください。 先日、家族で外出した際に、子どもの好きなアーケードゲームに付き合ってきました。現在ハマっているのは、ゲーム上の空間の中で自分だけのお気に入りのキャラクターをつくり、カワイイ服を着せてライブするというものです。 たかがそれだけといえばそうなのですが、意外と大人でもハマっている人が多いそうです。 そして、子どもがゲームをプレーする間、ゲーム機の後ろでふとあることに気がつきました。 ・仮想空間上で