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こんなやつもいるから大丈夫です、知らんけど

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日常の疑問や問題意識、抽象的な問いをあーでもない、こーでもないといいながら、簡潔で読みやすいエッセイにまとめます。 どうぞ、肩の力を抜いてお読みください。 きっと何か発見があり… もっと読む
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2021年12月の記事一覧

お迎え頼みますね、春さん。

「迎春言うても、アホ寒いやないか」と毎年愚痴をこぼすものでしたが、年末年始に畑に行けば「ほんまに春が来るんやなぁ」と感じたりもします。 オオイヌノフグリ、コハコベ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ。 3月頃から誇らしげ咲く草花が、ちょうど今、冬を様子見るようにちらほら顔を出すのです。 これまでは春を迎えるつもりで生きてきました。 だからこそ、2022年は、春に自分を迎えてもらおうかなと思います。 良いお年を。

「雪解けが一番危ない」って、道民が言ってた

道民はそう教えてくれた。その道民も、そして街ゆく道民もは見事なまでのフットワークで、凍てつく歩道を進んでいたが、私は何度もコケにコケた。雪の積もらない町・大阪で生まれた私には、4月の札幌は上級者向け過ぎたように思う。 実際、厳寒期の札幌は4月のそれに比べれば歩きやすい。なぜならしっかりと雪が積もっているからだ。いうなれば、”ズボり”と雪を踏みしめることができる。他方で、コケるときというのは、まさしく”ツルり”と足を滑らせてしまうわけだ。 コケそうになったらなるべく積み上が

自己承認って他己承認ありきかも~「#もしも叶うなら」受賞しました

noteを更新続けること、1年8か月。 ひそかに目標にしていた、コンテストでの受賞。 達成しました! この記事を書いたのは、昨年4月。今読み返すと、ナナメな私にしては珍しく、恥ずかしいくらいに熱が入った記事であります。 そんなこんなで今はといえば、伝統野菜・香川本鷹(唐辛子)の生産・販売をしたり、今年7月に農家民宿として宿をオープンしました。そのため、この記事を書いたときに比べれば、少し前に進んでいるのかなと思います。 他方で、経営は正直まだまだ暗中模索の七転八倒状態

農家の俺でも「二郎」はウマい

香川の離島で農業をしている。 自分で作物を育て食べる。 近所の人たちが野菜をくれる。 極めて充実した食生活だ。 ただ、食いたいものがある。 そう、ラーメン二郎である。 おそらくラーメン二郎といえば、「体に悪い食べ物」の代表格であろう。 ギトギトの油に、濃い醤油味、そして白い粉こと化学調味料。 大盛りの麺は、2日は炭水化物を取らなくてもいいのではとさえ思える量である。きっとオーガニックや丁寧な暮らしの対義語はラーメン二郎であろう。 農業を始めてからより一層、腹が減るように

A. |私| =私、|-私| =私 ~絶対値が持つ魔法のような優しい事実~

二本の縦線を使って、常に私は私になれる。 数学の用語を借りる私は昔から数学が好きだった。 たぶん、それがどこか哲学的だったからだと思う。かの数学界の巨人・ピタゴラスも哲学者であったというのだから、私みたいな数学素人がそんな気になるのも許してほしい。 数学とは高校生の時に別れを告げたとはいえ、今でも数学の用語たちはライフパートナーである。頭がモヤモヤすると、数学の用語をお借りする。 例えば、「言葉を微分・積分する」。要は微積分宜しく言葉の次元を上げたり下げたりするということ

卵黄だけって言われても、結局全卵入れちゃう話

「やっぱり、卵黄だけにしておけば・・・」 仕上げの卵黄お料理番組でよく見かけるワンシーンだ。実際、とろりと垂れる卵黄は濃厚な味わいをもたらしてくれるし、見た目もかわいらしい。 毎度のこと、誰かがこんなことを言う。そして、私は思う。 卵白だけ余っても困るんですけど。 卵白をそんな都合よく使いますかね?そりゃ分かる。捨てるのはもったいない。 たしかに、使い道はある。 ただそんな都合よく卵白を使いますかね? 仮に使うとしても、一度卵白を皿に移して、保存して。あー、めんどく

微炭酸な毎日を

少し前だが、宿のお客さんが缶チューハイを宿に置いていった。 「飲み切れなかったので、よければ飲んでくださいね」と。 その炭酸は、いつものそれに比べれば小さなものであった。 炭酸飲料・酒類に求めるのは、やはりあのシュワシュワ感。 私自身は、炭酸水をそのまま飲むのが好きだったりもする。他にも、焼酎割にハイボールと、そこでは概ね強炭酸の炭酸水を使うことが多い。 しかし、今考え直すと、強炭酸の炭酸水を買っている理由は特にはなかった。ただ漫然とスーパーに行ったときに「強」という文字

手紙を書くために唐辛子を販売しているのかもしれない

極僅かとはいえ、「好きなこと」を暖かく大切にできるのならば、案外そんな自分を好きになれる気がしてきた 好きを突き詰める大学生ここ数日、私はハタチの大学生と生活をしている。 彼はウチの宿や唐辛子畑のヘルパーとして、2~3週間滞在予定だ。 そんな彼は初日の晩に、 と言った。たしかに好きじゃなければ、私が住む香川の離島に農作業を楽しみに現れたりしないかもしれない。 好きが何か分からない彼はやはり、 と質問してきた。ただ私はかねてより「好きなこと」が思いつかない人間である。強

何事も経験だけど、経験すべきことが多すぎる件

やらないよりはやってみた方がいいし、 失敗も重ねた方がいい。 私もなんだかんだそう思う。ただ、なんか経験すべきこと多くないか? 最近、世の中自分の知らないことだらけだなぁとよく思う。改めて。 それは昔ながらの料理法であったり、図書館で見向きもしなかったジャンルであったり。ソクラテスは無知の知の存在を指摘したが、私からすればこの現代は「自分って何にも知らねぇな」と思わされる場面だらけのような気がしている。 古い本や高齢者の武勇伝はまさしくその要因だ。かくして途方に暮れてい