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こんなやつもいるから大丈夫です、知らんけど

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日常の疑問や問題意識、抽象的な問いをあーでもない、こーでもないといいながら、簡潔で読みやすいエッセイにまとめます。 どうぞ、肩の力を抜いてお読みください。 きっと何か発見があり… もっと読む
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2020年5月の記事一覧

分かり合えなくても、分かち合うことはできる ~「ねじれの位置」を目指して~

私とあなたは「分かり合う」ことができるだろうか。 私はこれまで、あなたと「分かり合いたい」「分かり合えるはずだ」と信じて生きてきた。きっとそれが、私にとっては、あなたという存在に関心を注ぎ続けるエネルギー源だったように思う。 しかし、25歳になろうかという頃、私はこの信念を覆すこととなる。 私は他人を理解できない私は他人を理解できない という事実を私は知らされる。発達障害。医学的な見地からの診断である。 その特徴の一つに、会話や言葉の文脈やニュアンス、また他人の顔色や

理由は後からついてくる 〜ママさん読者と「私が文章を書く理由」〜

「誰かのため」は、ときに、自己陶酔という名のマスタベーションへと姿を変える。 文章を書く不純な理由私はなぜ今日も文章を書くのだろう。 snsでイイねをもらえると嬉しい。 noteでスキやフォロワーが増えるのも嬉しい。 「誰かのため」なんていう大義名分も無くはない。 でも、それだけの理由で私は文章を書いているのだろうか? 正直に言う。 そもそも移住を機にnoteをスタートさせたのは、自分をとにかく宣伝するためだ。 これはきっと自分が独立するときの素地となるはずだから、

観光から「死」を社会に組み込み直す ~観光の政治性という新たな視点~

観光なのに、「死」? と思われた方、ぜひご一読ください。 絶対に読んで損はしない内容です。 流行り言葉の「観光」とは異なる、新たな「観光」の捉え方を提示しています。 観光の政治性 この頃、 「観光の政治性」 について、今の自身の生活と照らし合わせて、改めて思うところがある。 私自身は大雑把にいうと、大学院時代、広島の原爆をめぐる観光を研究していた。 そこで気づいたことの一つに、戦後、日本政府やGHQによって観光が「平和国家」「文化国家」を推し進める手段として利用さ

20年前の種が芽を出して、泣きそうになった話 〜「世界に一つだけの花」に寄せて〜

アクセスありがとうございます! 先日、古民家から20年前のレンゲの種を発見し、庭に蒔きました。 その模様はこちらから↓ そして、ついに!ついに!ついに!芽が出ました! そんな感動をSMAPの「世界に一つだけの花」に寄せて、ご報告します。 20年前の種、芽を出す なんかよく分からないんですが、久しぶりに泣きそうになるくらい感動してしまいました。 20年間、生きてたんだ。 環境が揃って、日の目を浴びれば、ちゃんと芽吹くんだ。 たぶん人間もそうなんだろうな。 こんなこと

「まじめ」という病 ~遊ぶのが下手な私と島暮らし~

「遊び心」持ってますか? 私は、島で、ようやく「遊び心」を学び始めたところです。 私は「遊ぶのが下手」私はもう、かれこれきっと中学生ぐらいから 「からちゃんって、まじめよね」 と言われ続けている。 これだけを聞いていると、褒め言葉のように感じるが、別の視点で「まじめ」を捉えてみる。 「からちゃんって、遊ぶの下手よね」 こう言ったのは、大学院の同期と先輩だ。確かに彼らは研究の傍ら、たびたび酒を口にしていたし、また釣りに行ったり、バイクに乗って「遊んでいた」。 先日、

私が島に移住した理由 ~旅を消費するだけでなく、旅を生産したい~

「旅」と向き合い続けること。 これが島に移住した理由を作ってくれました。 やはり旅に出たい一つ目の理由は、端的に、長期旅行に行きたいから。 長期旅行といっても、それは1週間では足りません。具体的に言うと短くても20日、理想は30日以上。 日本という国において30日連続の休暇は、都会で会社員をしたり、地方自治体で公務員の職に従事していては叶えられない夢です。 働くことよりも、休むことを考えているなんて、なんて浅はかなんだと思う人がいるかもしれません。 移住者であるならば

私なりのエッグベネディクト

島に来て半月、ゲストハウスに居候している私の朝は、ほぼ毎日同じである。 大きい窓なのか戸なのかもよくわからないものから、光が差し込んでくるので、それを朝の7時くらいだなと思いながら、ぞろぞろと布団を這い出す。 そうして、玄関の戸。これは間違いなく戸であると認識できる戸を開けると、いつの間にか住み着いている野良猫がギョロっと私を見る。 そして彼らは私に体を撫でろと言ってくるので、私はこの瞬間も間違いなく戸でありつづけた戸をまた開けて、台所で「冷たい牛乳にもさっと溶ける」コ