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お客様とのあれやこれ

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宿に来てくださったお客様との会話での気づきを記事にしています。
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#エッセイ

そういえば、巻く回数が増えたかもしれない

褒められて嬉しい料理。それは出汁巻きかもしれない。 「高齢者なんだけど、迷惑じゃないかし…

48-46、36÷18は?

「最後に一枚、いいですか?」 大阪から来た彼はカメラを握りしめた。そういえば、昨晩も彼が…

私は彼を小馬鹿にせずにはいられない

旧友とは過去形なのか、それとも今を含んだ現在完了系なのか。大学時代の旧友とコタツで話しな…

田舎で焦りながらも『ぼちぼちいこか』

3月20日、島に渡る船が全便欠航になった。だから、翌日の午前中だけやって来られた。 「この…

青春18きっぷに思いを馳せる 〜お客様との会話忘備録vo.1〜

「雲仙の方には乗りたい電車があって行ったことあるんですよ」 愛知から来た60代のおじさまは…

ぼっち飯しかできないれいちゃんの香川離島旅でのお食事って?

共同調理・自炊可能という 条件だからできた 香川離島へのぼっち旅小学生の時の事です。実は昔…

本に旅をさせる

その女性は、一冊の本を宿に置いていった。彼女は時折、旅先に読み終わった本を置いていくのだという。 彼女は本を置いていく理由をこう答えた。実際、彼女の肩掛けポーチは文庫本一冊と財布が入れば御の字といった大きさだった。 私の経営する宿では、春先から古本の販売を開始している。あまり大きく宣伝しているわけではない。それでも、数少ない小さな情報をもとに彼女はふと足を運んでくれたのである。 私はライターが旅するなんて知らなかった。海に捨てられたライターが遠くの国で見つかるということ