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その影にゆだねて眠る

私を楽しませてよ。
大好きな人。
その身で、その心で
全てを刻んであげるから
お互い楽しい人生にしようじゃない。
ほら、貴方も楽しいでしょう
私だって楽しいよ
それを鮮やかにありのまま書き記す
こんな幸せなことないよ。
その身が焦げて焼き尽くす、その瞬間まで
私は貴方の中にいるよ
安心して
死を恐れないで
大丈夫だから
今日という日が楽しかったと言えるよう
いい人生だったと思えるようにしよう。
せっかく長い人生なんだから
私も貴方も楽しみましょう
貴方の目をこっそり借りて
今日も私は特等席に座る。

今日という日が終わろうとする。
沈んだ太陽と貴方の後ろに伸びる影
ろうそくの火のように伸びたり縮んだり。
目を閉じて
その影に沿って横たわる。
なんだか気持ちいい。
こういう時間はよくぼうっとする
声に、言葉にすらならない、曖昧な感情。
貴方は石垣に腰掛けて
私はその影絵に沿って伸びる
たまには疲れるから。
見上げると自分じゃないような目で見つめてくる。
そんな目で見ないで
悲しくなるでしょ
ちゃんと席に着くから許して。

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