「鬼滅の刃」がまだ観られない

 皆さんはもう観ましたか?言わずと知れたこの作品を。老若男女に愛され、社会現象とも言えるまでになったこの作品を。僕はまだ観ていない。観ていない、というよりは「観られない」といった方が正確かもしれない。なんでかってところを少しだけ。

 僕はアニメ、マンガが好きだ。有名な作品も、少しマイナーともいえる作品もそれなりには観たし、読んだ。アニメに関しては、以前記事にしたように「観たいっ、、!!」ってなる時期が来たら(比喩でもなんでもなく)ずっと観ていた。前回その時期が来たのは去年の四月ぐらい、自粛期間が始まったぐらいだ。その時から「鬼滅の刃」って作品は話題だった(と思う)んだけど、その時は手が伸びなかった。それは多分他に観たかった作品がいっぱいあったからだと思う。

 そして時は過ぎ、映画が公開されてその勢いは加速していく。なんかアニメとかあんまり興味なさそうな友達も観に行っていて、めちゃびっくりした。それほどに話題になっているんだと。

 そこでまあ方々から感想が聞こえるわけじゃないですか。「めちゃ泣ける!!」とか、「煉獄さんがどうのこうの、、!!」とか――名前だけは知ってるようになりました――。「絶対観た方がいい」も何回か言われました。こう、そういわれるほどに逆張りのオタクである僕は観たくなくなる。

 面白い、って言われる作品ほど観たくなくなるというのはわりとある。例えば、呪術廻戦、炎炎の消防隊、僕のヒーローアカデミア、幼女戦記などなど。もったいないなと自分でも思ってはいるんだけれど、なぜか手が伸びない。

 そしてここからが本題なんだけど、それに加えて「泣ける」というところに観られない要因がある。「泣ける!!」と聞くたびに観られなくなる。これも例を挙げれば、CLANNAD、プラスティック・メモリーズ、ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン、Angel Beats!などなど。僕は泣ける作品はとてもとても大好きだ。なんなら泣きたい。泣く要素を入れてくれたらそれでいいってぐらい。それでもそう聞くたびに観たくなくなるとはこれ如何に。

 「泣ける」というのは、観る上で通常以上に「感情を動かされる」ともいえるじゃないですか。まさに「感動」ってやつ。僕の場合、感情が大きく動かされる前には、それなりの心構えがいる。予期せず来るものに関しては受け止めるしかないけれど、そう予告されるとやはり身構えてしまう。心構えができるまで――いつまでたってもそんなものは出来ない訳だが――その作品が観られないと、そういうわけである。

 どうしてこう、そこまで泣けるということに耐性がないのかと聞かれたら、ここはまた語ることのできる余地があって。それをここで書いてしまうとずいぶんと長くなってしまいそうなのでまた別の記事にしようと思う。

 「鬼滅の刃」が観られない理由には、実はもう一つあって。それはこの作品に限ったことではなくて、ほかのアニメや、映画などにも言えることなんだけれど、端的に言えば「長い」。これに尽きる。なぜ長いと観られないのかというと、僕はアニメでも映画でもなんでも、一度観始めたら途中で切ることなく最後まで観たい派の人間だからだ。今回話題にした「鬼滅」でいえば、一話約20分程度だとして、全26話あるわけで、多く見積もって9時間ぐらいかかる。めちゃめちゃ大体だけど。作業しながら観てしまうと、僕の場合内容が全く頭に入ってこないため、それを観ることに全集中しなきゃならない。以前書いたように趣味が多い僕にはそれは中々難しい。手が空いてるまま過ごすのはなんだかもったいない気がして――何もせずスマホいじるだけの時間はあるのにね――。同じ理由で小説とか、長めの文章の本を読むのも苦手だ。

 「鬼滅の刃が面白くなさそうだから観たくない」などと批判する気はほんとうに、ほんっとうにないです。むしろこんだけ話題になったんだから面白いに決まってると勝手に思ってます。それでもまだ観られないのは、こんな理由によるものです。これはもちろん「鬼滅の刃」に限ったことではないことは先述の通りで、それをタイトルにまで取り上げたのは「一番有名っぽいから」っていうふわっとした理由です。例に挙げたアニメも同じような理由でまだ少しも観ていません。これらの最高の感動と興奮を与えてくれる作品たちを観るのは、いつの話になるのでしょうか。そしてそれを観た後、僕は生きていられるのでしょうか。

 というか全集中ってなんだ。

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