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上海便り Vol.8 中国の公園事情

友人、知人の皆さまへ
先週末は気分転換のためオフィスを離れ早朝の公園を訪ねてみました。以前赴任していたときには何度か訪ねた記憶がありますが、今回の赴任では初めての訪問。前回の便りで上海の代表的な観光地について少しご紹介しましたが、上海の外向きの顔ともいえるそれらの観光地に対し、地元の人たちが集う公園は上海人の生の生活が見れるとても興味深い場所です。

訪ねたのは虹口地区にある魯迅公園。上海を代表する公園のひとつです。ゆっくり散歩すれば一周ゆうに1時間はかかる大きな公園ですが、そこらじゅう人、人、人だらけです。間違えなく100の単位では数え切れない人数です。日本の公園のイメージ、ゆったりとした空間でゆっくり散歩をしたり、ベンチで読書をしている人がまばらにいる、といった風景とは全く違います。

人の多さもさることながら、とにかくみなさん多種多様な行動をしています。おなじみ太極拳を筆頭に、刀や槍などをつかった武道の型を一心不乱に練習している人たちがいます。大音量で社交ダンスを楽しんでいる団体がいます。自家製の簡易コートを作りバトミントンをしている人たちがいます。筆に水をつけ地面に達筆な中国文字を書いては消え、書いては消えを繰り返し、それを見ては論評する人たちが大勢います。自慢の小鳥を鳥籠で持ち寄り何やら熱い談義をしている人たちがいます。健康法なのでしょうが、ただ単に手をたたいたり腰を振ったりという謎の行動を永遠と繰り返している人が点在しています。公園の遊具エリアはフィットネスジムのような使われ方をしています(笑)

さながらテーマパークや動物園のようにエリアごとにあるテーマに応じたアクティビティーがあちらこちらで繰り広げられています。こんな楽しいテーマパークはなかなかお目にかかれませんよ(笑)。上海にお寄りの際は、話のネタに一度訪ねらえてはいかがでしょうか?

魯迅公園のある虹口地区は列強支配時代の日本人租界地の中心で、実に10万人近くの日本人が生活していたそうです。現在、上海に住む日本人の数は6万人程度で、既にNYを抜いて日本人の海外居住人口トップの街といわれていますから、その当時それだけの人が住んでいたというのは本当に驚きです。グローバルの時代などといわれ、今が最も進んでいる時代のように錯覚しがちですが、実際はそれほどのことはなく、時代は繰り返しているのかもしれませんね。

(この投稿は2011年11月にメールベースで友人知人の方へお送りしたものを一般投稿用に一部編集してお送りしているものです)

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