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キェルケゴール『死に至る病』について(まんがで読破シリーズ)

 「まんがで読破」シリーズは当たり外れがあるのだが、これは分かりやすかった。

 まず、タイトルの『死に至る病』なんだが、これは罹ってしまうと死ぬような強烈な病気というのではなく、「死ぬまで続く病」という意味らしい。

 そして、その「死ぬまで続く病」が何かというと、「絶望」ということだ。

 例えば、中学生くらいのころって「自分が嫌い」だの「自分自身に絶望してる」だの言ったり思ったりする時期だと思うのだが、ここで言ってる「絶望」ってのはキェルケゴールが言うところの「絶望」ではないということが分かった。

 じゃあキェルケゴールが言う「絶望」とは何かというと、「自分自身の自己や本質を見失ってしまうこと」「自己が自己である責任を放棄してしまうこと」「自分が望む自己であろうとしないこと」なんかを指すようだ。

 キェルケゴール自身の生い立ちがかなり壮絶で、人生は不条理に満ちていると思い、上記のように「絶望」したことがあるらしいのだが、内省の末に彼自身の哲学を確立した。人生は不条理なものだというのは共感できるし、なんだかとても勇気をもらえた気がした。


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