見出し画像

アッバス・キアロスタミ『クローズ・アップ』について

 この映画は昨年観た。自分にとっては初めてのイラン映画だった。観ようと思ったきっかけは、「映画監督が選ぶ名作映画ランキング」みたいなやつでトップ10入りしていて、Amazonで調べるとDVDが1,000円以下で安かったので購入したことだった。

 観てみると、これがなんとも不思議な感覚の映画だった。多分、俺はこれまでに100本近い映画を観てると思うが(子どものころに観たドラえもんとかクレヨンしんちゃんとかジブリとかを合わせれば…)、本作はそのどれとも違う映画だった。

 Wikipediaによると、ジャンルはセミ・ドキュメンタリーというものらしい。実際に起こった事件に対して、その事件に関わった人物を映画に出演させ、演じさせて映画にするというものらしいのだ(よく分かっていない)。というわけで、その事件の犯人も映画に出てくるし、被害者も映画に出てくる。多分これは実際のものだと思うが、法廷の様子も映されている。実際の事件の関係者が、実際の自分の役柄を演じているというので、それが俺にとってはなんとも不思議な感覚だった。多分これは、この事件が詐欺事件だったからまだできるんだけど、凶悪な殺人事件だったらできんよな。

 映像の雰囲気も良くて、イランの街並みの様子が美しい。トップに画像を貼り付けているが、原付二人乗りで花を持って走るシーンが、街並みの色に花のピンクがコントラストになって、とても印象的でいいのだ。

 この映画を観るまで、アッバス・キアロスタミ監督のことを知らんかったんやけど、すごく興味が湧いた。他にも面白そうな映画を撮っているようなので、ぼちぼちチェックしていきたい(子育てと仕事で忙しく、本当に自分の時間が取れない。この文章も、子どもを寝かしつけながら細切れで打っている)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?