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2022年の活動報告

2022年に実施したイベントの報告です。


5月21日 富士見高原レスパイト

5月21日(土)に約3年ぶりとなる「富士見高原日帰りキャンプ」を実施しました。富士見高原リゾート様の協力のもと、自動運転の「天空のカート」に乗車し、標高約1,400mの高原上部にある「創造の森」に登る人気の企画です。

新型コロナの終息が見通せない中、多くの人が孤立感や閉塞感を感じる状況が続いています。私たちの大切な仲間である医療的ケア児(者)と、そのご家族も同様です。一方でワクチンの接種が進み、感染を避けられる方法が明確になってきました。

そこで「ほっとくらぶ」は、富士見高原リゾート様の協力を得ながら、日帰りキャンプ実施の検討を開始しました。企画段階で最も配慮したのが、新型コロナの感染防止策です。今回は全参加者が事前に検査(抗原検査またはPCR検査)を実施したほか、ワクチン接種歴や体調などを記す「新型コロナ感染対策に関する体調確認アンケート」を用意するとともに、当日は検温も実施しました。その他、室内会場(八峯苑 鹿の湯の大広間)は貸し切りとし、換気・消毒を徹底するなど、感染防止に努めました。

久しぶりの再会を喜ぶ姿も

さまざまな準備を経て迎えた当日は、朝からどしゃ降りの雨になってしまいましたが、医療的ケア児(者)6家族と、ボランティア、スタッフ合計34人が参加しました。

強い雨だと「天空のカート」で高原上に上がることは難しそうです。外に準備されたテント施設が雨にぬれるのを見つめながら、「ほっとくらぶ」伝説を信じて、天気の回復を待つことにしました。その伝説とは、たとえ台風接近時でも、必ず雨が上がるということです。

そこで、まずは「八峯苑」の大広間で積み木やおもちゃで遊びながらゆったりと過ごし、雨が止むのを待つことにしました。久しぶりに会う医療的ケア児(者)のご家族同志や、医療者が談笑する時間になったほか、子どもたちも学生ボランティア(なんと特別支援学校の先生を目指す方々でした)と楽しく遊ぶことができました。

やや早めの昼食は、感染防止対策としてお弁当を各自でいただく形にしました。八峯苑様が用意してくれたお弁当は、味、ボリュームともに大好評でした。「寒いから」とお味噌汁をサービスしてくださったことにも感激しました。一方、ミキサー食が必要な医療的ケア児(者)のためのミキサー食はスペシャルメニューとなりました。ゲストの名前や食品名、アレルギー物質の有無などが記されていたので、「家族が家でもできないような細やかな心遣いが嬉しい」と、こちらも大好評でした。

ゆっくりと食事を楽しんでいるうちに、ほっとくらぶ伝説どおりに雨が上がりました。「天空のカート」への乗車希望者を募ったところ、外気温が低いにもかかわらず、全員が希望。その後、一斉に「天空のカート」に乗車し、高原上を目指しました。

今回は身長170cm超で、普段は寝台型車いすを使う方も参加したのですが、富士見高原リゾートの皆さんは手慣れたものです。大型のソリを利用した座席を用意してくれたので、不安なく乗車することができました。

高原上部の「創造の森」は、霧に包まれていて展望が開けなかったのが残念ですが、色鮮やかな新緑を鑑賞しながらの往復約50分のドライブが楽しめました。

また、備え付けのヒッポという車いすへの試乗体験や、高原の散歩も楽しめました。さらに急遽張ってくださったハンモックに揺られたり、野外に置かれた大きなストーブで暖を取ったりと、思い思いの方法で高原の空気を味わいました。

こうして約3年ぶりの「富士見高原日帰りキャンプ」は無事に終了しました。参加者からは、「天気は悪かったけど、お兄さんやお姉さんがきょうだいたちと遊んでくれて楽しかった」「サポートが多くあって安心して過ごせた」「感染対策が万全で楽しく過ごせた」「天気の良い時にまた来たい」といった声を聞くことができました。

なお、このイベント参加がきっかけになり、新型コロナウイルスに感染した方はいらっしゃいませんでした。

9月3日 秋の富士見高原レスパイト

富士見高原リゾートの日帰りキャンプを9月3日(土)に実施することができました。

今回は「長野みらい子ども・若者応援基金」に選んでいただき、助成金を受けることができ、皆さんの経済的ご負担も最小限にすることができました。

富士見高原リゾートのスタッフの皆様の全面的な協力のもとで4組の医療的ケア児・者の方々が、きょうだい児も含めて参加され、ボランティアやそのご家族、スタッフと合計21名の参加となりました。今回は残念ながらコロナ対策のために学生ボランティアスタッフは学校側からの要請もあり、不参加となってしまいました。

当日は台風が停滞している中、朝から松本インター近くはかなりの強い雨が降っており、恐る恐る会場へ向かって行きましたが、なんと富士見に近づくにつれて雨は止み、外遊びも可能でした。前日まではかなり強い雨が降っていたそうでしたが、午前中は晴れるということで、急いで皆さんの体調を確認して、事前の健康アンケートも提出いただき準備を始めました。

初対面のご家族もおられましたが、電動の「天空カート」に乗って標高1420mの山頂を目指しました。カートには座って移動できない方のために「そり」を座席に着けてくださって、臨時のシートを作成して安心して移動できるよう工夫がされており、安心して乗ることができました。車いすもカートの外に載せて座席にはゆったりご本人達が乗車できました。山頂では車いす移動のお子さんはゆっくり散策したり、ハンモックに乗ってくつろいだり、シャボン玉で大人も子供も童心に帰って遊んだりしました。ほぼ霧がかかっていましたが、時折雲が切れて街並みが見えるなど、マチュピチュを思わせるような時もありました。スタッフも一緒になって遊んだり、くつろいだりできるのがほっとくらぶの特徴です。            

下山して貸し切りの大広間で自己紹介をしてから、お弁当を食べました。このお弁当も注入食の方にはミキサー食の準備をしてくださって、スペシャルメニューでした。

食後は看護師が医療的ケア児、者の方の体調を確認して、体の緊張をほぐすなどケアをしていました。3歳のお子さんは前日から興奮していて、ぐっすり眠ってしまうハプニング。

当初、食事のあとは野外のテントで焚火してポップコーンや焼きマシュマロをして遊ぼうと目論んでいましたが、外は強い雨が降ってきてしまい断念せざるを得ない状況となってしまいました。

外遊びができない代わりにご家族やボランティアスタッフ、ボランティア家族も含め椅子取りゲームやフルーツバスケットなど室内遊びを楽しみました。医療的ケア児のご家族は色々と理解しあえる話題も多く、年代も3歳から30歳まで年齢差はあったものの、情報交換の場ともなり、実りある時間のようでした。

3歳児のお母さんは「初めての参加でしたが、支援の方がおられるということで参加してとてもよかった。生まれてからようやく最近になって外出を考えられるようになって、家族で一度頑張ってみたが、自分たちが楽しめず結構大変だった。疲れたという印象しかなかった。次の外出に参考になればと思ってきました。色んな方とお知り合いになれてよかったです。」と話されていました。

2回目の参加の方は「弟に掛かり切りになっているので、姉の笑顔が少しでも増えればと思って来ました。色々と遊ぶこともできて楽しそうだった。来てよかったです。」

何回か参加の方は「安心して参加できる場所があるって嬉しいです。慣れた場所って感じで、この子も私たち家族も心から楽しめています。」

いつも参加してくださる方は「学校を卒業すると行くところも制限されてくるけど、ここに来ると楽しいし、この子が来ると絶対晴れるので任せてください。」と話されており、「そのおかげで到着からその後山頂では雨が止んでゆっくり遊べました。ありがとう。」とスタッフからの感謝の言葉を届けました。

皆さんがほっとくらぶに参加されて、ご自分たちのホームグラウンドと感じてくださっているようで、大変うれしい言葉でした。

親子でゆったりと遊び、お話する時間があったのは雨のおかげでした。そして帰るころには、雨が止んで晴れ間が見えてきていました。医療的なケアのある方の移動は雨の中では必要な荷物もたくさんあるので、大変なのだということを察してくれていたかのようでした。

松本市や安曇野市からの移動には時間を要しましたが、楽しい時間となりました。

12月3日 クリスマス会


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