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末期がん患者と西表島(沖縄)に4泊5日介護旅行した話〜1日目〜

こんにちは、はっちと申します。
この記事を読む前に40秒で読める自己紹介note↓を読んで頂けると嬉しいです。

※記事内の個人情報は全てご本人・ご家族の了解を得て使用しています。

2019年6月某日、地域包括支援センターの社会福祉士から便利屋宛に一本の電話がありました。

用件は「病院入院中の末期がんの患者が沖縄の西表島に旅行に行きたいと希望しています。同行して介護することは可能ですか?」というものでした。

・・・がん? 旅行? 同行介護? イリオモテ???

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今まで経験したことのない依頼内容に混乱した僕は、「とととりあえず直接話を伺います」と電話越しに伝えるしかありませんでした。


その後、ご本人との面談、病院でのカンファレンスなどで得た情報をまとめると

・依頼主の名前は「ようこさん」あっけらかんとした性格で自称「自由人」
・パーキンソン病、大腸がん(ステージIV)を患っている59歳 女性
・余命半年と宣告されておりまだ元気なうちに沖縄の西表島に行きたいと希望している(実際には余命3ヶ月以内と主治医は見込んでいる)
・滞在日数は5泊前後を希望
・西表に行きたい理由は、20年ほど前に西表で約2年住み込みで働き暮らしていた時期があり、当時お世話になった人たちにどうしても会ってお礼がしたいから
・ご家族は本人が決めたことならと了承している
・同行は介護職(ぼく)と看護師(うちの社員)の2名体制を希望

というものでした。

下の写真はようこさん。明るい性格の方です。

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肝心な体調面(病気)についてですが、「道中様々なリスクが考えられるが、行きたいなら行ってもかまわない。そのかわり1日でも早く出発すること」と主治医から許可をもらいました。もちろん出発当日までに体調の変化がないことが条件ですが。

その後、沖縄のようこさんの友人や病院、公共機関などと連絡調整を行い、依頼日からわずか1週間で出発することが決まりました。超スピード決定です。

ようこさんも「え〜〜〜!?ほんとに行けるの〜〜〜〜!?口に出してよかったぁ〜〜〜」と涙。僕らは嬉しさと同時に責任感が込み上げてきます。

ちなみに愛媛県から西表島までの移動所要時間は・・・ざっと9時間程度
飛行機 →  飛行機(乗り換え)→  船
だ、大丈夫なのか・・・?
でも、もう依頼を受けると決めたので全力でやりきるしかない!

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と、いうわけで出発準備!

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古着屋で着て行く服を購入

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お気に入りの美容室で入院中に伸びきった髪をカット

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ファミレスでお茶しながら沖縄で何をするか作戦会議。

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そして当日。主治医の先生や病院スタッフに見送られ、病院を出発。
沖縄から帰ってくるまでは一旦退院という扱いになりました。

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空港に到着し搭乗手続き。航空会社にもよりますが、専用の車椅子があります。

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事前に事情を伝えることで空港スタッフさんが飛行機内まで無料で手続き、移動、座席への移乗を手伝ってくれます。座席も一番前の席で優先して乗り降りすることができます。

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飛行場にある謎の車両で飛行機まで移動。丁寧に対応してくれます。


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飛行機の中で地上を見下ろしながら「本当に行けるんやね〜〜」と感慨深げな表情をされていました。僕たちは未だヒヤヒヤなんですけれどもね(笑)

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那覇空港に到着。昼食は空港のご当地弁当。スパムおいしい!けど、やっぱりゴーヤーチャンプルーは少し苦手だなぁ。このあと飛行機を乗り換え、石垣空港に出発です。

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石垣空港に到着。次は船です。港までタクシー移動。介護タクシーをタクシー会社の皆さんが探してくれたけど捕まらず。ドライバーさんが島のことを色々と教えてくれました。

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石垣島の港に到着。ゴールデン具志堅像とツーショット。

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西表島行きの船に乗船。乗車席に行く為には階段を降りなければなりませんが、ようこさんには難しい為断念。甲板の上で飛ばされないよう踏ん張りながら西表を目指します。

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風が強すぎて飛ばされそうな はっち


そしてついに・・・

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西表島到着!!!!

汗と涙の沖縄生活が始まります(2日目に続く)









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