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消えかけでも可能星を探しに行きたい ♪Brand new planet / Mr.Children

未曾有のウィルスに翻弄された1年の終わり、2020年の暮れ。
2年ぶりにリリースされたオリジナルアルバムの1曲だった。

あのウィルスが流行らなければ、このアルバムを引っ提げて全国ツアーもやってたんだろう。
Mr.Childrenはただでさえテレビの露出が少ないしSNSもほぼやってない。
ファンクラブに入っているから時々会報やファンクラブHPで近況を知るぐらい。

有り難くも業界柄仕事が忙しい、辛い。
なのに楽しいことは我慢、辛い。

20代最後の1年だった。
私には20代のうちに成し遂げたいことがあった。
ひとつは、仕事で「これが自分の代表実績」と言えるプロジェクトを成功させ納品すること。
もうひとつは、母になること。

どちらも程遠かった。
程遠かったところに追い討ちをかけるこの状況。

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Brand  New  Planetは、「姉ちゃんの彼氏」というドラマの主題歌としてタイアップされた1曲だった。
あまりドラマを見ないのでオンエアは見ておらず、
初めてちゃんと聴いたのは、滅多にミスチルが出演しない音楽番組で初披露というタイミングだった気がする。

もちろん録画して見た。聴いた。
正直、ドラマの主題歌だとある程度当てがきとかもあると思うから、申し訳ないけどそんなに期待をしていなかった。

立ち止まったら そこで何か
終わってしまうって走り続けた

Aメロの出だしがもうグッときた。

社会人として中堅になってきたこの頃、正直疲れたな、息切れしてるなと思うことが多々あった。

子供も欲しい。1人の人間としても次のステージに進みたい。
けれど、
「自分が納得できる実績を作ってからでないと」という気持ちが強くて。
母になることも切望しつつも、どこか逃げてたように思う。

立ち止まってしまったら、もう歩き出せなくなってしまいそう。
それが怖くて、うまく逃げたり手を抜きながらも、
出口が見つからない森の中を彷徨っている感覚だった。

でも歩道橋の上 きらめく星は
宇宙の大きさでそれを笑っていた

あの時、私に俯瞰的な目で、一歩引いたもう一人の自分という視点で、
自分を見ていたらこんな感じだったんだろう。
「立ち止まったって、しにやせんよ」
って今なら声をかけると思う。

でも、渦中にいるとそんなのわかんないよねぇ…。

静かに葬ろうとした憧れを解放したい
消えかけの可能星を見つけに行こう

正直、もう「代表的な実績」を作るのは無理だなと思っていた。
実際、自分がそこまで本気で取り組めていないこともわかってたし、
それが全てでも正義でもないこともわかっていた。

だけど、大変な職種だからこそ、
ここで頑張ろうと決めた時の自分と、未来の自分に、
胸を張っていられる自分でいたいと思った時に、
諦めなくないな、と思っている私もいた。

ちょうどこの曲を聴いていた頃、
これまでで1番大きなコンペに参加することになっていた。
なんだかんだ、今までは同じ規模なら上司の補佐として参加していたけど、
今回は私の名前で、私が責任を持ってぶつかりに行く。

正直、採用されたらされたでそのあとしんどそうだな…
とも思ってしまったけど、
もしかしたら、20代最後の逆転あるかもって思った。

どうであれやりきろう。
そしたら、自分もきっと次のステップに進んでいいって思えるはず。

何処かできっと待ってる
その惑星が僕を待ってる
この手で飼い殺した憧れを解放したい
消えかけの可能星を見つけに行こう

何処かでまた迷うだろう
でも今なら遅くはない
新しい「欲しい」までもうすぐ


青臭いし、なんかくだらないかもしれないけど、
実現の可能性が1%でもあるなら、そこを目指してもいいのかな。

子供も、授かり物だから、授かれなかったら仕方ない。
だけど、諦めたら可能性は0だから。
いつか来てくれる日が来るのだとしたら、信じていよう。

別にこの曲と出会ったからといって、
次の日から何かが劇的に変わるわけじゃない。
いつもの日常が続いていく。

でも、この悩みも憧れも諦められない気持ちも、
全部大事にしてもいいんだって思えただけで、
ミスチルに全力でありがとうって言いたくなった。

-

結局、例のコンペは企画は完成したものの、
クライアント都合でプレゼンが延期、やり直しになった。
まあ、そういうこともあるよね。
新年からまた、自分のペースで頑張ろう。

その2ヶ月後、もうひとつの可能星が私のお腹に宿っていた。

-

産休最後の出勤を終えて振り返ると、
1人前と言えるほどでかい実績は作れなかったかもしれないけれど、
ちゃんと夢は叶えられてたんだろうなと思う。

「また戻ってきてね」と言ってもらえた。
「また一緒にお仕事しましょう」と言ってもらえた。

それが未来の私をきっと救ってくれる。

新しい「欲しい」まで もうすぐ

お腹の中の命との対面まで、あと1ヶ月。
生まれたら、また次の「欲しい」も諦めずに欲張ろう。
次は何を欲しがろうかなぁ。


★好きな時に好きな曲を弾くゆるいYoutubeチャンネルやってます。

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