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ミスドピッツァ マルゲリータ

 「ピザが美味しいんだよね」と隣を歩いている母が言った。夏ぶりに会ったけれど、やっぱりなんとなく小さくなって、白髪も増えた気がする。お願いだから、まだ置いて行かないでね、と思う。本人は別に病気でもなんでもないのに、死んでしまうことを考えてしまうわたしはひどい娘なんだろうか。

 実家へ帰省した日、自宅へ帰る途中で地元のでかいイオンへ買い出しに行った時のことだった。丁度お昼ごはんの時間だったのと、年末に販売される福袋を買いにミスドへ行った。
 イオンも10年前くらいにできた比較的新しい建物で、ミスドはオープンしたときからずっと入っている(はず)。この店舗は店内も広く、ドーナツの種類もたくさんあるのが良かった。この日は、明日の朝ごはん用のドーナツと、母のおすすめのマルゲリータを買った。

 これはずっと前からだけど、4人がけの食卓テーブルのうち、一席は荷物が山積みになっていて座れなくなっている。うちは四人家族なので全員が座れない状態だが、仲良しって感じの家庭ではないのであまり気にしてこなかった。
子供の頃は父・妹・わたしがテーブルを囲んでご飯を食べていた。母は他の全員が食べ終わった後にひとりで食べていることが多かった記憶がある。でも今のここの席は、家を出たわたしの分だな、と思った。椅子はあるけれど座れない。
 
 家に到着してすぐ、おなかを空かせた父とわたしはピザを食べた。この日は母も一緒にテーブルで食べた。妹は長い反抗期の途中なので、食卓には来なかった。

 家でご飯を食べている時は、子供でいることを許されている気持ちになる。ピザカッターで切り分けたピザをお皿にのせて貰った。まだここに、このうちの子で居させてほしいと思う。


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ずっと読んでみたいなと思っていた『ミスドスーパーラブ』をやっと見つけて購入した。ヤッター
エンゼルフレンチと期間限定の白ポン・デ・リングを食べながら素敵な作品たちを読んでいて、ふと、このピザのことを思い出したので書いてみた。ドーナッツじゃないんかいという気もするけれど、ミスドへの気持ちだからよしとしたい。(誰に許しを求めてるんだってね)