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香水好きによる「Scently 推し香水」のススメ

先日香水を購入したサービスがとても良かったよというレポ、というか感想です。試してみようか迷っている方の参考になれば幸いです。

Scentlyさんとの出会い

突然ですが、私は香水が好きです。
子供の頃から良い匂いのものが好きで、中2の時に近所のア○タで買ったDiorは、何度か買い替えながらその後10年以上に渡り使い続けました。高校〜大学時代はいわゆるファッションフレグランスを片っ端から試し、社会人になってからはメゾンやニッチ系の沼にズブズブと……。今でも新たな香りとの出会いを求める日々を過ごしています。

そんな中、偶然Twitterで見掛けた『Scently 推し香水』さん。
オーダーシートに推しのことを記入すると、2〜4週間ほどで自社香水の中からイメージにピッタリ合う香りを選んで送ってくれる、というサービスです。
ちなみに私は「パーソナライズ」という言葉にも弱い人間でして、これは試さずにいられない、と30分ほどで半ば衝動的にオーダーシートを書き上げ、無意識に送信ボタンまで押していました。
なお、現時点で内容を見返すことはできないようです。私のように後悔しないためにも、メモアプリ等に残すことをおすすめします。

この段階でまず良いなと思ったのは「サイトがシンプルで洗練されている」「Q&Aや弁護士監修のガイドラインがある」「オーダーシートが書き易い」という点。
サイトはサービスの顔ですし、ごちゃごちゃしていてきれいじゃないとちょっとテンション下がりますよね。その点、Scentlyさんは白を基調としたスタイリッシュなデザインで、利用方法も分かり易かったです。Q&Aやガイドラインはメニューから見られるので、注文前にひととおり読んでみてね。
オーダーシートの設問も多過ぎず少な過ぎず、「人外の場合」や「見た目と内面の年齢が異なる場合」「フレグランスを贈るシチュエーション」など幅広く対応していて思わずうふふとなること間違いなし。

シンプルで洗練されたデザイン
大事なことが書いてあるので読んでみてね

個人的に少し悩んだのは「大人っぽさ・セクシーさはどのくらい感じるか」という項目。0〜5まで、6段階で指定出来ます。なぜ悩んだかというと、ここで言う「大人っぽさ・セクシーさ」が私の考えるものとイコールなのか、ちょっと不安だったんですよね。ほら、オタクって何でもかんでもえっちって言うから……。
個人の見解ですが、例えば同じバニラの香りでもシンプルで澄んだ香りと複雑で深みのある香りだとぜんぜん別物ですよね。
前者はお菓子のような可愛らしさやお花のような軽やかさを感じます(=大人っぽさ:低)し、後者は洋酒の苦味やインセンスの煙たさ、スパイスの刺激などがあいまって一筋縄ではいかない香り(=大人っぽさ:高)になるかなと思います。

私がお願いしたのは若くて顔立ちも実年齢より幼く見える子だったのですが、本人が可愛らしいキラキラした香りは好まないだろうということと、少し影のあるキャラクターだったので、ひとまず3(やや感じられる)を選びました。
香りについては後述しますが、この選択は正解だったように思います。

待つこと約3週間と数日

ついに我が家のポストに届く日が来ました。思ったよりコンパクトなサイズ感です。呼吸を整えて、いざ……。

〜〜〜〜〜〜開封の儀〜〜〜〜〜〜

かわいい!このままプレゼントに出来そうなビジュアル、良いですね。箱の中には香水と香りの解釈レターがきっちり収まっていて、早くも動悸がしてきました。レターにはオーダーシートに記入したイメージカラーが採用されています。大雑把な私は何も考えず「紫」としか回答しなかったのですが、グラデーションで素敵に仕上げていただきました。感謝。さて、さて、ちょっぴり震える手で解釈レターを開きます。

わァ……(語彙消失)

※ガイドラインに基づきキャラクターの詳細は伏せます※

正直、解釈レターより香り重視で「解釈も聞きたいけど香りがあってナンボでしょ!」などと思っていましたし、花言葉にだってさほど興味がありませんでした。これを開くまでは
孤独なオタクゆえ誰かと推しについて語り合うこともなく、推しの名前すら口に出さない日々を送っておりますが、人様の解釈がこれほど心に潤いをもたらすとは……。
勢いのまま、レターで解説されていない分の花言葉もつい調べてしまいました。すべてキャラクターに合うようにするなんてすごい手間だし、そこまでしてくれるわけないやろと思ったんですけど、というか今でも思ってるんですけど、不思議なことに刺さるワードが次々と……。
何より、どこかの誰かがあの子のことを考えて香りを選び、レターをしたためてくださったということへの純粋な感動があります。こんなに嬉しいものなんだなあ。

そしてトドメの一言。

彼の生きてきた軌跡を、この香りを通して改めて感じて頂けますように

これはずるい……ちょっと泣いちゃいました。
これだけで既に税込¥2,980+送料を払うに値するような気がしてきましたが、かろうじて残った理性が訴えかけます。そう、大事なのは香り。香りなんです。なぜなら私が買ったのは香水だから……。

肝心の香りは……

ドキドキしながらまずは1プッシュ。少しスッとした、ハーバルなトップノート。心地いいけど、すごく爽やかとまではいかない、不思議な感じ。お花の優しさも少し。霞がかったように全貌が把握できなくて、ひんやりしているような、あたたかいような……。
メリッサの匂いってピンとこなかったんですが、レモンバームなんですね。特定の香料が目立って主張することなく、絶妙なバランスで溶け合っています。優しい香りですけど、全体的に淡くて遠い。どこかそっけない感じが良いですね。

スッとした感じはすぐに落ち着いて、パウダリーなフローラルが顔を出します。
実はこのミドルノートが若干不安でした。というのも、お花てんこ盛りなんですよね。クラシカルなマダムの鏡台や、いわゆるデパートの1Fの香り(私はどちらも好きですが)になってしまうと、キャラクターにミスマッチな気がして。
実際に嗅いでみると華やかさは控えめで、霞がかった抽象的な香りが続いていきます。いなくなったかと思われたハーバル感が細く長く続いていて、地味に良い仕事をしているのかも。
繊細で、どこかうら悲しいような……なんだろう、やさしい涙の匂いがする……(突然のポエム)

ラストはアンバーバニラで甘々かと思いきや、どちらかというとフローラルムスクを下支えする役割のようです。トップ〜ミドルに比べ、より親密で、ほんのりと可愛らしさも感じられます。
輪郭も少しはっきりとしてきました。ローズの華やかさが増して、自信や気の強さも伺えるような。これはツンデレなラストノートですね……。

全体を通して、磨りガラスのような淡い色彩が次第に深くあたたかみを帯びていくような印象でした。少しずつ霧が晴れて本質が見えてくるような構成は予想外でしたが、グッときますね。
今回は普段使いよりも概念重視でお願いしましたが、普通に好みだし普段使い出来そうです。個人的に「キャラクターをイメージした香り」と「キャラクターが好んで付けていそうな香り」は別物と考えますが、どちらにも当てはまっていると感じました。
10mlにしては高いなあ……と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、パーソナライズということを踏まえるとむしろお手頃かと思います。値段の割に、という言い方はあまりしたくないのですが、香りの変化をしっかり楽しめますし、香り自体にちゃんと個性もあるので、普段香水を使わない方の最初の一本としても良いのではないでしょうか

余談ですが、私物のガラスアトマイザーに似ています

オーダーシートでは、ユニセックスで捉えどころのない、ミステリアスな香りを希望しました。選んでいただいた香りはレディース寄りではあったものの、キャラクターに違和感なく馴染みましたし、こちらの要望をかなり汲んでいただけたように思います。自分の好みに誘導してしまった感は否めないような……?でも、そう来たか!という意外性もあって非常に面白かったです。

文字数が限られているので、情報はある程度厳選した方が良いかもしれません。私の場合、固有名詞はなるべく一般的な言葉に置き換え、比較的さらっと仕上げました。仕上がりに何ら問題はなかったです。
対面でコミュニケーションが取れない以上、香りのイメージや苦手な香り等もなるべく分かりやすい言葉で伝えた方が失敗は少ないかと思います

ちなみに購入後のアンケートもオーダーシート並みにガチな内容で、ユーザーの声に耳を傾けようという意志をひしひしと感じました。応援したくなるね。
私もつい気合が入って、おかしな長文を送りつけてしまいました。今書いているコレといい、オーダーシートよりよほど怪文書です。気持ち悪かったかもしれません。

以下、香水好きの雑文

・香水を手首などに付けたあとに擦り合わせるのはやめましょう。摩擦により香りの飛びが早まったり、変わってしまうことがあります。
・香水は季節や湿度、付ける場所によって香り方が変わります。いろいろ試してみてね。衣類やファブリックに使用する際はシミにご注意を。
・ちょっと苦手な香りかも……という場合は足首など鼻から遠いところから試すと徐々に慣れることもありますよ。
・香りは下から上に香ります。直に推しを摂取したい方は胸元(酔いやすい方はお腹)に1プッシュしておくと、ふとした動作でふわりと香るのでおすすめ。

「香水なんてお洒落な人が買うもの」「出掛けないから香水買っても意味ない」……そんな言葉をときどき目にします。
自分のための香り」を、もっと楽しみませんか?朝起きた時、夜眠る時、ちょっぴりくたびれて癒しが欲しい時……ぜひ香りを纏ってください。それが推しをイメージした香りであれば、きっと喜びもひとしお。
自分がこんなの使ってたら変かな、なんて思わなくて良いんです。最低限のマナーだけ守って、あとは自分の好きなものを好きなように摂取しましょう。

Scentlyさんのトップページには、こんなことが書いてありました。

香水は何十種類もの香料を織り混ぜてつくられています。香りは、音や色以上に多様な想いをあらわせる素晴らしい方法です

本当にその通りだと思います。
色んな要素が複雑に混ざり合い、時間の経過と共に香りの変化を楽しめる。人の内面と同じように、とても不思議で魅力的なものですよね。
願わくは、「推し香水」を機に香りに興味を持ってくださる方が増えますように。誰かに香りを選んでもらうのももちろん素敵ですが、自分の足で探し、出会った香水もきっと大切な1本になりますよ。
それでは、素敵な香水ライフを!

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