ホームズの妹

J「タイトルにもあります通り、ホームズ兄弟には実は妹がいた!?　なドラマの話を」
H「あ、タイトル言わないんだ」
J 「察してください。――それにしてもホームズさんも大変ですね。娘がいたり妹がいたり……」
H 「こうやって謎のパロディもされるしね」
J「正直このドラマ、あんまりそそられなかったんで1話すらもちゃんと見てないんですよね」
H「……ゲームしてたよね」
J「なので感想と言うほどの感想も言えないんですが、何が駄目だったかって、シャーロック・ホームズは主役ではないんですよ。ドラマオリジナルの妹が主役なわけですよ。――ホームズである必要があるのか？　と思ってしまったんですよね、俺は」
H「うーん。ホームズ家の一員であるという設定があれば、納得できることもあるよ。だってかなり特殊な存在だからね」
J「そうですね。確かにホームズさんの言うことも一理あります。けれど、俺はどうしても納得できないんですよ」
H「……何に？」
J「シャーロック・ホームズは探偵であると同時に弟であって、決して兄ではない」
H「……はぁ。まぁ弟ですけど……」
J「シャーロック・ホームズは弟キャラだ！　兄にならなくていい！」
H「そういうこと!?　ちょ、ちょっと待って。別に弟キャラとかで売り出してないと思うんだけど。ドイルもそんなつもりないと思う」
J「みなさんはシャーロック・ホームズの何に惹かれているんですか？　名探偵だからですか？　――彼はこんなにも頭脳明晰ですごい人物だというのに、弟なんですよ!?　尊くないですか!?」
H「こ、怖い。おかしな方向性のガチ勢がここにいる……怖い……」
J「だから妹なんてノーサンキューなんです。このパロディでもホームズさんが弟キャラであるということが滲み出てる展開がこれからありますのでどうぞよろしく」
H「そんなもの滲み出した覚えはないが……」
J「あと気に入らないとすれば、兄のマイクロフト氏の存在です」
H「マイクロフトはいつでもどこでも気に入らないよ私は」
J「嫌がる妹を無理矢理学校に入れたり、家庭教師を付けて普通のレディにしようとしたり……お前は親かと言わんばかりの厳しさ。すごく嫌な人に見えます。これがホームズ家の長男、あのマイクロフト・ホームズでいいのか？　――俺の描くマイクロフト像が一気に崩れ落ちました」
H「そうですか……」
J「ホームズの生きた時代を考えると、女性は花嫁修行をしろと言われるのはわかるんですけど、それを言う役目がマイクロフトなのが納得いきません。そうなってくると、シャーロックが悩める妹の理解者になってきます。そんなのこちらは求めてない」
H「エレメンタリーのマイクロフトより数億倍ましだと思うけど……」
J「ホームズさん、一生根に持ってますねそれ。もういい加減忘れたらどうですか」
H「忘れられるわけないだろ……」
J「そんなに兄にワトソンを寝取られたのが許せませんか」
H「寝取られたとか言うなよ！　第一あの二人つきあってないだろ！」
J「ワトソンが女性だったから許せないって部分がありますよね？」
H「かもしれないけど、もう何であろうと許せん」
J「ホームズさんにとって家族よりワトソンがどうあるかが重要なんですね」
H「当たり前だろ！　家族とかこの世の終わりくらいどうでもいいし、ホームズにとって大事なのはワトソンとの関係性だろ！　知っているか!?　ホームズとワトソンは腕を組んで歩く仲なんだぞ!?」
J「知ってますよ。一緒にグラナダ版見たじゃないですか……それにその話、前に俺もしたんですけど」
H「マイクロフトにいじめられて妹ちゃん可哀想だなとは思ったけどさ！」
J「結果、ホームズさんもこのドラマにはあまり興味がないってことですね」
H「君が勝手に見ているだけで私には何の主導権もなじゃないか……」
J「ポワロさんのときは主導権あるでしょ？」
H「ポワロさんだけかよ！」
J「そんなわけで、嫌なら見なければいいと言われそうなのでもう見ません。シーズン2の配信も始まったみたいですし、人気はあるのでしょうが、口に合いませんでした。ただ、1話をチラ見しただけでもこの人別のドラマで見た！　というイギリスの俳優さんたちを見つけることができたのは楽しかったです」
H「イギリスドラマ、そういうところが楽しいよね。他の国のドラマでもそういうことあったね」
J「ああ……特捜部Qの人ですね。新しく主役の方が変わったものの、あちこちに出られている方なので別のドラマでもしょっちゅう主役として出てくるという……」
H「あの人以外にいないのかと思わず言いたくなる」
J「その人以外にいないのか、はたまたこの人じゃなきゃ駄目だ的な感じなのか……日本の特番ドラマみたいな感じなんですかね。その辺りのお国事情はわかりませんが。さて、文句を言うためにわざわざ記事にしたのかと怒られそうなのでそろそろ終わりにしたいのですが、本日の総括を」
H「総括……？」
J「シャーロック・ホームズは弟であるという事実の重要さを再認識できました！　ありがとう、エノーラ・ホームズ！」
H「何その終わり方！　すっごい嫌だ！」