新刊間に合わなかったので最近見たもの大放出③刑事フォイル
J:愚かシリーズまだ続きます。
H:それより新刊やったほうがいいのでは?
J:書いているときはまだ見ている途中だったんですけど、なんやかんやしている間に全部見終わってしまったものを。「刑事フォイル」です。普通の刑事ものだと思ったら色々と衝撃的でした。
H:思っていたのと違う……と言うと悪いように聞こえるけど、まさか涙なしに見られないとは。
J:本題に入る前にまず、脚本を担当しているアンソニー・ホロヴィッツ原作のカササギ殺人事件について。
H:このミステリーがすごい! にも選ばれたりしたヒット作だね。
J:はい。その大ヒット推理小説のドラマです。現実世界と小説の中の世界を行ったり来たりするので、最初は混乱しそうになりました。
H:でも面白かったと思うよ。クリスティーがポワロさんを書き続けるのが嫌になってたってエピソードをちょっと思い出したよ。
J:どういうことなのかはぜひ、ご自身の目でお確かめください。――そんなヒット作を生み出し、人気ドラマ「名探偵ポワロ」や「バーナビー警部」などの脚本も担当した彼が、製作から関わっているという刑事フォイル。舞台は第二次世界大戦中のイギリスはヘイスティングスという町。ヴェラのときも思ったんですけど、イギリスだからって必ずしも舞台はロンドンじゃないんですよね。
H:田舎町だったりすることが多いよね。ヘイスティングスって言ったらまずあのヘイスティングス大佐が頭に浮かんだけど、地名なんだ⁉︎ とまず驚くところから始まる。
J:イギリス、まだまだ知らないことが多いです。そんな戦時中の町で起こる事件をフォイル警視正が解決していく……だけでは済まないんです。
H:戦争中なんてしょせん設定だけかと思ったら大間違い。がっつり戦争というものが絡んでくるよ。空襲も起きます。しかも1話が長すぎて、私は戦争映画を見ていたのか……? という錯覚に陥る。あながち間違っていないのかもしれないけど。
J:日本人であれば誰でも第二次世界大戦中のことは学ぶと思います。けれど、これはイギリスが舞台。イギリスの町ではこのとき何が起きていのか、それを垣間見ることができます。そして、起きる事件も戦争が絡んでいるものばかり。
H:戦争に関わっている以上、悲しい結末になることが多くて、家族を失ったり友人を失ったり……毎話毎話泣かないといけないのか⁉︎
J:邦題はわかりやすいように刑事フォイルとなっていますが、原題はFoyles's Warなんです。ここからもわかるように、この作品はただの刑事ものじゃなくて、戦争が主軸となっています。戦場へ行けなかったフォイルにとっての戦争とは何か? 考えさせられます。
H:勝っても負けても戦争なんていいことない。昨日まで友だちだった人が、国の違いで今日は敵だなんて悲しすぎる。犠牲があまりにも多すぎるよ。
J:フォイルの部下、ミルナーがまさにそうでしたが、戦地で足を失って帰還したものの、奥さんは冷たく歓迎されないという……何で自分は生きて帰ってきたんだろうって思っちゃいますよね。
H:おかしいな……ただミステリーを楽しみたかっただけなのにな……。とにかく、最後までずっと運転手のサムには幸せでいてほしいという思いで見ていたよ。
J:サムの輸送部隊時代の軍服姿が好きでした。
H:わかる。私服姿に見慣れるのに時間がかかった。
J:ネタバレになるので詳細は言いませんが、フォイルさんの後の同僚の方は、カササギのあの人でした。
H:見終わってから気づいたというね。
J:特徴のある方なんで、どっかで見た顔だな……とは思っていたんですけどね。
H:人の顔を覚えるのが苦手な人間が見てますんで。
J:こんなもんでしょうかね。戦争ものがあまり得意でない人はご注意ください。
H:見てみようかなって人は、ハンカチとティッシュを忘れずにね!
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