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Episode 56 理由はひとつじゃないんです。

ASD「あるある」です。
私もダメなんですが、部屋を片付けるのが苦手って人は結構いると思うんですよね。

以前、ASD的な思考パタンで「時間厳守派」と「遅刻魔派」の分水嶺の話をしました。
同じ局面で「何を優先するのか」という点で、「出来栄え」と「納期」のどちらを重視するかで発想の方向性が変わるって話だったんですが、もしかしたら部屋の散らかり方もイロイロなんじゃないのか…って思うんですよね。

午前10時に駅前の公園で待ち合わせです…って場面があったとするじゃないですか。
家での支度というルーティンの中に片付けが入っているかどうかが、ひとつポイントです。
自分の予定の中に片付けが入っていなかったら、いずれにしても片付けるってことは完全スルーされると思うんですよね。

では、片付けが支度の中のルーティンに入っていた場合…。
私のような時間厳守派の場合、待ち合わせに間に合うことが必須項目ですから、その他のことは「二の次」です。
なので、間に合わすために端折る…って選択をするわけですよ。
そして部屋が散らかったまま慌てて出発…家に帰って、あぁガッカリ。
遅刻魔派ではない私としては、これは想像ですが…遅刻魔派は出来栄えが重視されるわけで、例えば髪型とか服装で頑張っているうちに気が付くと「もう時間が…」ってことがあると思うんですよね。
そして部屋が散らかったまま慌てて出発…家に帰って、あぁガッカリ。

遅刻魔派は仕上がりの形が評価のポイントになっているワケですから、時間管理の感覚が弱いんだと思います。
私なら「髪型を整えるのに〇分、着がえるのに▲分…だから、自分が支度を整えるのに〇+▲分かかる」って考えますが、そうではなく、きっと「髪をこうセットして、服はこれを選んで、この出来栄えでOK!」…って考えるんだと思うんです。

どちらかと言えば時間厳守派はやるべきことを時間で線引きしていく「引き算タイプ」、遅刻魔派はやるべきことを仕上げて積み上げていく「足し算タイプ」ってことでしょうかね。
同じ様に部屋が散らかっていても、発生原因は真逆な感じだと思うんです。

ASDに限らず発達障害って言葉で一括りにされるものは、たったひと言で括るには広すぎる背景があると思います。
例えば映画を見るにしても、恋愛ものが好きだったり、アクション系がすきだったり、定型者だって好みや感じ方がイロイロあるあるじゃないですか。
発達障害を持った人だって同じです。
発達障害はウイルスや細菌が原因の病気ではありませんから、特定の症状が出るワケがないのです。

「あるある」という氷山の頭の部分は同じでも、海の底の見えない部分は全く違ったりすると思います。
私はそのことを皆さんに理解してほしいと思っているのです。

以前にもお話ししましたが、持てる能力を使って私たちは適正に発達したのです。
発達障害は個性であって、病気ではないのです。

旧ブログ アーカイブ 2018/11/9

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