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暗い日曜日 和訳

Sombre dimanche...
Les bras tout chargés de fleurs
Je suis entré dans notre chambre, le coeur las

暗い日曜日…
腕いっぱいに花束を抱えて
私は二人の部屋に入った
心は疲れきっている


Car je savais déjà que tu ne viendrais pas
Et j'ai chanté des mots d'amour et de douleur
Je suis resté tout seul et j'ai pleuré tout bas
En écoutant hurler la plainte des frimas

分かっていた、あなたは戻ってはこない
私は歌った、恋とそして苦しみを
一人ぼっち 声を殺して涙にむせんだ
重い霧のうめき声が響きわたるのが耳に聞こえた


Sombre dimanche…
暗い日曜日…


Je mourrai un dimanche où j'aurai trop souffert
Alors tu reviendras, mais je serai parti...
Des cierges brûleront comme un ardent espoir

日曜日に死んでしまおう、あまりに辛いだろうから
さすればあなたは戻ってくる
だがその時すでに私はこの世になく
ロウソクだけが激しい希望のように燃えているだろう


Et pour toi, sans effort, mes yeux seront ouverts
N'aie pas peur, mon amour, s'ils ne peuvent te voir
Ils te diront que je t'aimais plus que ma vie...

そしてあなたに向かって、私の眼はおのずと開くだろう
怖がることはないのよ、愛しい人
あなたを映すことはできないけど、その両目玉には
この命よりもまして深いあなたへの愛が澱んでいるはずだから

Sombre dimanche...
暗い日曜日…








メモ
・なんとなく言葉的には dimanche obscur の方が詩的な気がする。意味はどちらも訳は「暗い日曜日」となるから特に意味はないし、そもそもsombreには「憂鬱な」「鬱屈とした」という意味があるのに対してobscurは「あいまいな」「難解な」という意味を併せもつからむしろobscurの方が意味変わってきちゃうんだけど。でもsombreって語頭にくるとなんか、「暗い」「うつうつとした」感じがでないような。sが語頭にくると元気な感じに聞こえてしまう、個人的には

・あんまり口語で話しかける感じにすると、damiaの歌声が台無しになってしまうので、むしろしかつめらしく悲劇がかったふうに訳した。

・「暗い日曜日…」の最後の三点リーダーは曲の雰囲気を出すのにとても大事だと思う。「はぁ、暗い日曜日か…」という感じの疲れたため息が聞こえる。

・曲を聴いて思い浮かんだのは、殺伐とした線が美しいベルナール・ビュフェの絵画。サガンはこんな歌好きじゃなさそうだけどね。

・別に聞いたところで命を落としはしないし、この曲はとてもとても美しく素晴らしい作品だと思う。けどこの思い詰めた感じ、死んであなたに愛を告げることしかもう頭にないような、死のアイデアにとりつかれたような歌声と歌詞はかなり強い力で心をもっていく。むしろあきらめの悟りのような境地におちいる。あと自分に残されているのは暗い日曜日だけ、というような

・殺伐として鬱々しくて優雅だ。

・youtubeのコメントに「この曲流しながら朝に珈琲とパンを貪りたい。」とあってこのコメント主の感性すごいなと思った。めちゃくちゃ分かる。個人的には硬くなったバゲットを握りしめて冷めたコーヒー片手にむさぼりたい。返信コメントにさらに「雨の日だとなお良いでしょう」とあって、イメージが掻き立てられる。窓は開いていて、網戸越しに冷たい風と少しの水滴がレースカーテンを揺らしていて、私はつめたいグレーのダイニングテーブルにつき硬く粉っぽいバゲットを無心で勢いよくかじりながら、ときおり冷めたコーヒーをごくごくと飲んでいる。黒とグレー以外には何の色もない、温度の無い部屋。きっとスーツも着ず寝巻のままだろう。

・同題の小説があるらしいので気になる。フランスにも日本にも、それぞれ別にこのタイトルがついた小説がある。

・「死んでしまおう」っていうこの感じがいい。「死ぬことに決めた」という重々しい感じではなく、すらっと「死んでしまおう」と口からこぼれるような、すでに決まっていたことであるかのような感じ。


これはレコードか楽譜かチラシか何?文字がよめない。


これらビュフェの絵はまったく原曲に関係なく、私が喚起されたイメージ。