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230401 夢に見た東山魁夷

悪阻の吐き気がひどくて更新が滞ってしまった。
毎日、ああ、今日もnoteを開かなかった…と薄く後悔する日々。
しかしこれだけは記録したく、先日訪れた京都嵐山の福田美術館の話を。

今開催中の「日本画革命」の企画展で、東山魁夷の絵が出るということでぎりぎり滑り込んで見に行くことができた。
東山魁夷の作品については過去何度も開催されたテーマではあるものの、運が無く一度も見たことがなかった。
長年、家に飾ったレプリカのポスターを眺めるしかなかった、のだが。やっと!という思いで、朝一のチケットを予約購入し来訪。
福田美術館自体初めて来館したが、こじんまりしたスペースをうまく活用された、近代的な造りだった。大きく取られた窓からは渡月橋、鴨川をたのしむことができる。来館者のみが入店できるカフェも、「パンとエスプレッソと。」系列店らしく、ゆったりのんびりとした空間だった。喧騒に疲れたときにおすすめ。

さて、今回の企画は魁夷の他にも、加山又造や横山大観など名だたる作家の作品も並べられていたのだが、やはり一番印象に残ったのは魁夷だった。
何度も何度も繰り返し眺めていたから、そりゃそうか。
あの、ギャラリーに入ったときの感動たるや、数年に一度の経験だった。描かれた木々は生命力に溢れ神秘的でもあり、風景をそのまま映したというより、心象風景を表現したといった方が近い。たとえば、登山の途中偶然見かけた風景に心打たれたあの時の記憶。微細な感情を絵にできるセンスはもちろんだが、自然を愛し、向き合おうとした彼の姿勢の証のように思えた。ただ木を木として捉える人では、あれほどの作品は生み出せなかっただろう。
とにかくもう感動の一言で、特に「青きドナウ」は3度戻って更に最後また見に行ってしまった。

絵を前にし涙がじわっと浮かんだとき、これが感動というものなのか、じゃあ自分が使う「感動した」の言葉は本物だったのか、とか考えてしまった。どういう理由で涙が出たのか、自分でもよくわからなかったのだ。
いやしかし、すごいものを見てしまった。

ほけーっとしたままポストカードやパンフレットなどグッズを購入し、外に出た。
外は相変わらず観光客が賑わいを見せていて、美術館のシンと静まり返った空気はどこかに消えた。なんとも、いい時間を過ごさせてもらった。
いつか必ず、きちんとした絵を購入したい。
きちんとしたって、どういうものなのか具体的に想像できていないけど、魁夷の筆遣いがわかる絵だといい。リビングにでっかく飾って、じっと吸い込まれてみたい。


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