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230324 エブエブ鑑賞記録

そういえば記録できていなかったのでエブエブこと映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の話を。
タイトルが長いから仕方ないとはいえエブエブって呼び方寒いと思うけど、まあ、いいや。
マルチバースを題材にしたコメディと聞いてどういうこっちゃと思ったけど、事前情報をあまり入れないまま観ると、なるほどこういう話か!と前半から笑えた。マルチバース、私たちのいるこの世界・宇宙以外にも無数に別の宇宙が存在しているのではないか、という概念の基に、それぞれの世界で無数に存在する自分自身とリンク(職業技術やカンフースキルなど)しそのパワーをインストールし敵と戦う、というストーリーなのだが、特に前半のカンフーアクションは往年のカンフー映画を髣髴とさせておおっ!となる、し、笑える。あのカンフーの、かっこよくも絶妙に笑わせてくるセンスすごい。
話の内容はネタバレになるのであまり触れないが(まあネタバレしても差し支えない、映像を楽しむジャンルの映画ではあるが)、マルチバース、最新のIT技術、そんなものを駆使しなくても、人間には戦う術が備わっている、というオチは腑に落ちたというか、前半のコメディを吹き飛ばすほど感動させてくれた。母と子の関係性やその構築の難しさは世界共通なんだなあと思いつつ、いつか親になってから見ると更に感動も一入かもしれない。
しかし、アカデミー賞を総なめにしたのは素晴らしいの一言だが、脚本賞を獲ったのはどういう判断だったのか…?ノーラン監督の「TENET」も視覚効果賞だけだったのに…あんなに、すごい映画だったのに…なんて考えてしまった。
ただ、最近の社会情勢を土台にした作品がアカデミー賞の主流になりつつあった中で、もちろんそういった背景を織り交ぜてはいるもののコメディ映画がアカデミー賞作品賞を受賞したというのはなんとも明るいニュースだったなと思う。カンフーSF映画、と言っていいのか、どこに属するかよくわからない、見たことがない類の映画でした。

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