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230310 デートさながら、母とのおでかけ

■デートさながら、母とのお出かけに備える娘の話
母とのお出かけである。かれこれ半年ぶりぐらいだ。
だいぶ前に過ぎた私の誕生日プレゼントを買ってくれるらしい。
毎年何が欲しいか聞かれるのだが、独身時代から、ずっと化粧品をもらっている。今年は口紅をお願いした。(マスク着用義務もなくなるしね)
そんなわけで、出かけることが1か月前から決まっていたのだが、私は有給を取り、前日夜にパンを焼き、スキンケアにパックをするというデートさながらの下準備をしてしまった。
パンというのは、いつか私が作ったパンをLINEで共有したとき、いいなあお母さんにも作ってください、と言われたことがずっと記憶の奥底にあり、気になっていたからだ。夜な夜なミルクパンを焼き、コロコロとかわいいお菓子のようなパンを量産した。
そして、スキンケアはちょっとお高めなやつを仕事後に買いに行き、即日使った。なぜかというと、連日の花粉&PM2.5のせいで肌荒れを起こしていたからだ。これではせっかくのお出かけが!しかも口紅試すのに!ということで、直前にあれこれ調べ、アルビオンの「薬用スキンコンディショナー エッセンシャル ペーパーマスク N」を買いに走った。
これ8枚で3000円くらいするんだけど、最高に良いです。特にニキビになりそうだな~~嫌だな~って時に使うとかなりマシになります。感動、ありがとうアルビオン。

そんなわけで前日あれこれと準備し、なんなら着る服まで決めるという気合の入れようだった。おかげで当日は時間に慌てることなく出発できた。

早めの昼ごはんを食べるということで、お店の前で待ち合わせ。母がおすすめのお店を予約してくれており、烏丸にある「一の傳」という魚が売りの和食屋にお邪魔する。ここのコースが、それはもう素晴らしく、全て美味しかった。目玉は蔵漬けという銀だらの西京焼き。これが更においしい。土鍋で炊いた白米と共に食べるのだが、どこまでもおかわりできそうだった。食事の合間にいろいろ近況を話しつつ、帰り際夫へのお土産にいくつか蔵漬けを購入。ゆったりとした、最高のランチだった。

それからお目当ての誕生日プレゼント、口紅を買いに。いつも思うけど、百貨店にずらっと並ぶコスメブランドは日々増殖しているのでは?
皆推しブランドがあるのだと思うと、勉強熱心だなあと思う。フロアは平日ということもあり人がまばらで、マダム達が真剣な様子であれこれ吟味していた。この、京都の百貨店に流れるゆるい空気が自分に合っているなと来るたび思う。
何も下調べせず入店してしまったのが大変申し訳なかったが、美容スタッフの方がうまく似合う色を選んでくれ、シャネルのオーソドックスなものを選んだ。パッと華やぐ、春らしい色でとてもかわいい。
早々に目的が達成されたため、まだそんな時間ではなかったが錦市場の路地を入った喫茶店で一休み。穴場的お店で、コーヒーが大変においしい。食事も評判らしいがさすがに食べられなかったのでコーヒーのみに留めた。

コーヒーを啜りながらふと思い出し、「IZIPIZI」の話をする。「IZIPIZI(イジピジと読む)」は、昨年母がかわいいと言っていたフランスのメガネメーカーである。そのブランドが出している読書用の老眼鏡があるのだが、これがとてもかわいらしいデザインで、母への贈り物にと方方探していたのだが、東京でも取り扱いがかなり限られており、それっきりになっていた。しかし先日、立ち寄ったBEAMSでたまたまディスプレイされているのを発見し、聞くと今月から取り扱い始めたとのこと。私はもう大興奮で、在庫があるうちに買うしかないと強く決意していた。BEAMS京都店でも在庫があるということだったのでさっそく出向くことに。色もほぼ全色を取り揃えており、あれこれと試着。ネイビーの丸フレームを、少しというかだいぶ早いが誕生日プレゼントとして贈り返した。

それから何の気なしに鴨川沿いを歩き、行き交う着物姿の大学生や悠々飛んでいるトンビを眺めながらゆるゆると散歩。本当に暖かい日で、昔二人で遊びにきていた頃を思い出すいい時間だった。

まだ帰るには早い時間だったので、「レストラン菊水」でレモンスカッシュとミックスジュースを飲みながら、メガネを試着したりだらだらと過ごし、明るいうちにお別れとなった。

また会えるのに、見送りはいつも少し寂しい。
後何回母とこうして出かけるだろう、なんて少しおセンチになりながら、電車に揺られ帰宅。
ゆっくりと動く電車の中で、そういえばああして京都をぶらついたのは10年ぶりくらいかもしれないと昔のことを思い出していた。毎週母と出かけていたのになあ、とまた寂しくなり、目的なく一緒に過ごすことの尊さを改めて知る。

しかし、京都は本当にいい街である。
普段過ごしている大阪は、良くも悪くも利便性を極めた場所だ。何か目的があれば便利だが、そこには余白がない。あの路地気になるな、あの小さなお店は何のお店だろう。あ、鴨が泳いでる。そんな歩く喜びを与えてくれるのは京都にしかない魅力だ。
特に母や祖母と会うには、大阪より京都が似合う。

いい休日だった、もっと暖かくなったら、今度は温泉にでも行こう。

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