猫の好きなところ
最近、猫も杓子も。という物書きの人と猫とのドキュメンタリーを見た。
プロとして物書きをされている方々の猫の描写は素晴らしく、恥知らずにも私も私の愛する猫達の好きなところを記したいと思った次第です。
現在、二匹の猫たちと暮らしている。
最近一緒にいる時間が長くて気付いたけれど、本当に毎日とんでもない時間寝る。
朝も寝て、昼も寝て、それでも夜は「あぁ、今日も一日頑張ったなぁ、おつかれさま!」という顔をして寝る。彼らは自分がその日成長しただとか有意義だったか、とかは気にしない。先のことも考えない。
彼らはそれだけ眠るのが好きでも、私が遅くまで起きているとこっくりこっくりしながら付き合おうとしてくれる。すっと、背景のように隣に寄り添っている。
彼らは私に気を遣っているわけではない。ただ自分がやりたいからそうしているだけだ。
寒い日に布団に入ってきてくれるのも、トイレに起きたときにトコトコついてきてくれるのも、お風呂上がりに身体を擦りつけてくるのも自分がしたいからしてるだけ、相手の為だとかは考えない。
この距離感がなんとも言えず心地いい。
そしてやはりなんといっても、抜群に見た目が美しい。うなじのライン、ぴんととがった耳、しなやかな身体、宝石のような大きな目、毎日見ていても毎日「あぁ今日のあなたが一番可愛い!」と言いたくなる。
可愛いといえば特に好きなのは前脚からお腹にかけて、ちょっと皮が余っている部分。人間でいうと二の腕のところ。
猫の手の愛らしさといじらしさをそこに集約しているかのようで、遊んでたぷたぷしているのを見ると、この世の平和が全てそこにつまっているような気持ちになる。
なんとも言えずいい匂いがするのもまた猫の魅力として触れずにはいられない点である。
体を丸めて眠っている猫のお腹に顔を埋めると暖かく干したてのお布団のような香りがする。
肉球はまた少し違う芳ばしい焼きたてのパンのような、枝豆のような、安心する香りがする。
仕事で切羽詰まったとき、作業が行き詰まっていらいらしているとき、何も上手くいかなくて自分が嫌になったとき、眠っている猫に「ちょっとすみません…」と言いながらお腹を拝借し顔を埋めさせてもらうと、気持ちが落ち着き、許されたような気分になる。
そこまで悪くないよ、むしろ結構いいんじゃないかな、という気持ちになれる。
皆が猫のお腹に顔を埋められるようになったら、世界はかなり穏やかになると思う。
駄文をつらつらと書いてしまったが、最後に言いたい。
私はこの寝ることと遊ぶことが大好きな怠惰で美しい獣が大好きだ。
何を考えているのか分からない、本能で生きているはずなのに優しい彼らが大好きです。
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