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八ヶ岳と小海線

手前の土手が小海線の築堤。
小淵沢駅から次第に高度を増した小海線が、並行する中央本線と離れ、右へカーブするあたり。
鉄道写真撮影のポイント。
小海線の列車に乗ると、右に八ヶ岳、左に甲斐駒ヶ岳が見えていた絶景が、次第に甲斐駒を背にして、八ヶ岳が左に移るあたり。
さらに右には遠く富士山が見えてくる。

かなり昔、「高原へいらっしゃい」というテレビドラマがあった。
高原のつぶれかけたホテルを立て直すというドラマだった。
主演は今は亡き田宮二郎さん、共演に前田吟さん、由美かおるさん、尾藤イサオさんなど。
オープニングに流れる曲が小室等さん作曲(作詞は詩人の谷川俊太郎さん)の「おはようの朝」。
そしてタイトルバックに流れる風景が、まさにこの写真の場所を走る小海線の前面車窓の風景。
このドラマのロケーションが好きだったのか、小学生ながらこのドラマをよく見ていた。
舞台となる高原のホテルは、野辺山の近くに実在したもので、今もその建物自体は残っているらしい。
その後、佐藤浩市さんでリメイクされたが、それは見ていない。

このドラマを見るきっかけとなったのは、山好き(けっして山登りが好きなわけではないらしかった)の父が車で清里野辺山あたりに連れて行ってくれたからであろうか。
その頃は清里がブームになる前で、原宿のような若者受けする店舗が立ち並ぶ前だったと記憶している。
その時、小海線に乗りたいとちょっとばかりごねたような記憶がある。
どこかに車を止めて清里野辺山間だったら往復することも可能であったろうが、何しろ本数の少ないローカル線だけに時間がどのくらいかかるかわからないので却下された(笑)

列車には乗りたいが、一人で乗りに行く勇気もない当時の私。
その頃は、遠方では一人でも行くと言っても許されるような時代ではなかったが。
結局、小海線に乗れたのは大人になってからだった。

その後は、清里にジャージ牛のアイスクリームを食べに行ったり、北野印度会社のカレーを食べに行ったりとか、甲斐大泉のパノラマの湯に行ったりとかたびたび小海線を利用した。
時には、八ヶ岳登山こそしたことがないが、飯盛山(清里の南東にある)に登ったり、特に意味もなく小淵沢から川上犬で知られる信濃川上駅まで行ったりした。
因みに日本一長い信濃川は長野県内で千曲川と名を変え、この信濃川上駅のある川上村(長野県)の山の中を源流としている。
村名の由来もそのあたりだろうか。

このつぎ、小海線を利用して行ってみたい場所は、佐久市にある洋式城郭「龍岡城」。
洋式城郭といえば函館の五稜郭ばかりが有名だが、この龍岡城も星形の城郭だ。(幕政下では城ではなく陣屋扱いではあったが)
龍岡城タワーなんてないから、その全景を見るには登山するしかない?
もう、山に登る元気はないので、地上でしか見ることができないことが残念だが。

最後に、小海線という名前は路線途中に小海という地名、駅があるからだが、小海線は全線海なし県の山梨と長野を走っている。
そこでなぜ、小海と海のつく地名が存在するのか?
ちょっと調べて見たら面白いかもしれない。

※写真は2010年2月撮影