消えた温泉:旧川原湯温泉
川原湯温泉。(群馬県吾妻郡長野原町大字川原湯)
八ッ場(やんば)ダム完成により、ダム湖に沈んだ温泉。
タイトル画像は、吾妻線旧川原湯温泉駅。
今はもう湖水の中。
旧川原湯温泉街への緩やかな坂道を登っていくと、温泉街入り口左上方にあったのが、聖天様露天風呂。
木々に囲まれた気持ち良い露天風呂だった。
ここは混浴露天で、初めて若い女性が入ってきたのを目の当たりにした。
同じ湯につかっていた、男性の一人は女性が来たと気付いたとたん、外していた眼鏡をかけたので、笑いそうになった。
しかし、混浴で気まずくなるのはたいていは男の方。
女性は覚悟を決めて入ってくるので、心構えが違う(笑)
温泉街に入ると、右下手の方にあったのが共同湯笹湯。
いかにも地元の人が利用しているようなシンプルで無人の浴場だった。
温泉街に戻り少し歩くと、温泉街を象徴するような共同浴場王湯。
自然に囲まれたこじんまりとした温泉街を形成していた旧川原湯温泉。
今はもう、湖水の中に沈んでしまっている。
とても残念だ。
八ッ場ダム、それは本当に必要だったのだろうか。
もはや元に戻ることはできないが、ダムの必要性の検証はしっかり行うべきだろう。
川原湯温泉は鉄道も温泉街も、旧温泉街の上に再構築されている。
でも、そこには渋さとか味とか歴史が感じられない。
旧川原湯温泉街、やがて人々の脳裏から消えてしまうのだろうか…。