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あやとり家族57〜楽しかった日々も束の間〜

見捨てられ不安が著名に出た

付き合い始めて、彼が一緒に住もうと言い出したのは半年後
私の家の近くに引っ越すというけど、彼の職場からは離れることになるので
一生懸命とめた
舞い上がってしまっている状態だったから

お互いの職場の通勤に便利なところに決めて
引っ越した


なぜそんなに急いで同棲を始めた?

彼もまた双子だった
双子の兄の自由奔放さに、自分が付き合わされるのが嫌になっていた
それまでは同居していて、喧嘩の原因もそこにあったようだ
”自立したい”
それが彼の望みだったように思う

一緒に暮らし始めてから
ズレが生じるようになる
彼の兄が朝早く酔っ払って家にくる
私たちはこれから仕事に行くっていうのに

お酒を飲みにくるのだが、買ってくることもなく家にあるお酒を飲み始める
ジンは自分の意見や本音をなかなか言えない人で
こんな状態がしばらく続く

私はジンに言った
「これから仕事に行くのにこんなこと続けられては迷惑」
ジンも同じ気持ちだった
そしてそのことを、兄に伝えた

兄はいきなり怒り出した
兄にとってジンは弟でありながらうまく利用できる奴隷的な存在
抵抗できないジンを上手に操っていたのに
私という彼女ができてからはうまく利用できなくなったからだ
ジンもそれに気がついていて、早く兄から離れたくて同棲を急いだのだと思う
逃げ場所を確保したかったのだ

ジンがうまく言えない時は
私が兄に直接文句を言う
だけどジンにとっては私と兄が喧嘩するのを見ることも苦痛で
結局は板挟みになってしまっていた


その頃私は仕事で部署が急に変更となり、途轍もない勉強をしなくてはならなかった
夜9時までは病院の図書室で、その後はカフェに行って勉強。帰ってきてからも勉強を続け睡眠時間は随時2−4時間
これを一年間続けた

その間ジンはご飯を作ってくれたり、家事全般をしてくれたり
あまり遅くまで勉強していると飲み物を作ってくれたりした

とても優しかった


私の仕事が落ち着いた頃、彼は趣味でDJの勉強を始めた
自ら音を作っていく

集中できるように部屋を改造した
私は彼にしてもらったことと同じように、夜遅くまで音を作っている時は
飲み物を持っていったりした

だけど違ったことが一つだけあった

それは私の”見捨てられ不安”が著名に現れたこと
自分が相手にされていない不安が強くなってしまったのだ
まさに彼への執着

「集中しているから来ないで」と言われているのに
「ごめんね、夜何食べる?」と聞きにいったり
「今いい?」と特に用事もないのに部屋に行く
結果的に彼の邪魔をしていたわけだ

「何回も言っているんだけどさ。。。」と最初は穏やかだったが
とうとう切れた

「すずが勉強しているとき、俺邪魔しなかったよね?なんですずは邪魔するの?
いい加減にしろよ」

言われてから気づく

悪いことだとわかっていても、自分のやりたいことがない私にとってはジンだけが頼りだった。
趣味もなく、自分の気持ちもわからない私

でもせめて相手のことを考えれば、こういう行動にはならなかったはず
自分の不安が強いのは自分のせいであってジンのせいではないのに

それから喧嘩することも多くなったが
当時の私にはどうして良いのか発想も浮かばす、結局何度も同じ間違いを繰り返していた



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