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今村翔吾の講演会を聴いて

今日、今村翔吾の講演会を県立図書館で聴いてきた。私はこの直木賞作家の小説は読んだことがない。直木賞作家といえば、これまで読んだのは司馬遼太郎、藤沢周平、安倍龍太郎、五木寛之、林真理子、桐野夏生、垣根涼介くらいだが、読んで面白いのだが、これが文学かというと打ちのめされる程の魂の揺さぶりや、香り高くほろ苦い味わいが感じられないので、自分にとっては物足りなさがある。一言で言うと、21世紀に生きる自分にとってのリアルさが感じられないのである。例えば作品が翻訳されて海外で読まれるかというとどうなのだろうか。私の知識が足りないだけなのかもしれないが、海外で名が知られている直木賞作家がいるのだろうか。

おそらく私に文学を語る資格はないのだろう。私が知りたく体験したいのは、現実の社会や近現代の歴史的事件に遭遇した人間の生きる姿や真実であって、小説の作品そのもの面白さではない。極言すれは文学によってしか救われない魂に触れたいと思っている。小説は手段であって、表現形式として、自分が生死を賭けても訴えたいことに相応しいと思えていることが重要だと思う。今日の講演会を聴いて何かが違うと思えたのは、今村翔吾にリアルさを感じられなかったからだろう。

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