バンドを組む残像(毎週ショートショートnote)
小さかった頃からミュージシャンになりたかった。小学生の卒業アルバムにも将来の夢に書くほどに。
でも……。現実は厳しかった。そんなに簡単になれるものではない。
若い頃はフリーターをしながら細々と活動していたけど、鳴かず飛ばず。最後までパッとすることはなかった。
それでも晩年は家族に恵まれ、幸せな一生だった。
今でも夢を叶えたかった。と言う気持ちはある。
消えいく意識の中で、既に他界していったバンドメンバー達との辛くも楽しい日々が蘇る。
僕は、また彼らとのバンドを組む残像を見た。
「みんな、お待たせ!」と僕が言うと、
「遅いよ」と聞こえた気がした。
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