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選ばれないことの始まり。

 例えば、部活でキャプテンに選ばれたら、第一志望の学校に合格して入学したら、入社して希望の部署に配属されたら、そして宣伝会議賞でグランプリを獲ったら・・・といった、なにかにチャレンジするときに、考えうる最もポジティブな想像をすることは、いったいどれくらいの人がいるのでしょうか。この想像は自分の心の奥深いところで行われるので、他人に言うことはまずありません。というか言ったら絶対引かれることは、さすがにわかっているからです。

 私は自転車に乗っている時など一人になった時、この最もポジティブな想像をしています。この時間は気分が最高にいいです。きっとニヤニヤしているんだと思います。

 しかし、この想像をした瞬間から「選ばれなかった」という現実と向き合う可能性が出てきます。「選ばれたら」という想像をしているからです。もちろん本当に選ばれたら、「選ばれなかった」と向き合う必要などありません。しかし、「選ばれ続けた」人はきっといないのではないでしょうか。「選ばれなかった」を経験した人はチャレンジする時に不安になります。
私もその一人でした。そんな時この本の帯に目を奪われました。

「不安なのは君が本気だからだ。」

私は本気だったのです。本気で取り組もうとするから不安なのでした。そんな自分の本気さにエールをくれる、そんなことばでした。

そして、みんな選ばれなかったからここにいて、選ばれなかった人生を歩いてることに気づかされました。ただ、その選ばれなかった事実をどう解釈するかがこの本にはとてもリアルに書いてあります。そして多くの自問自答から生まれたことばは、まさに選ばれなかったからこそ生まれたのだと。そして、ここまで励まされるのだと思います。

阿部さんもきっとたくさん選ばれなかったんだと思います。でもその回数が多いからこそ、こんなにも優しい本ができて、私もその優しさに触れることができています。

ありがとうございました。


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