友達

ギブアンドギブの大切さ

noteさんの方で、#人生を変えた出会い というテーマでの募集があったので、シリーズにするかはわからないけど、今までの人生の中で影響を受けた人を順に紹介していこうと思う。


Entry No1. Kくん

Kくんは中高時代6年間を共にした親友の1人である。

自分は中高を武蔵中学校・高等学校っていうとてもとてーも変ていうか、すごい独特な場所で過ごした。その学校は池袋の近くにある。

自分は埼玉県の北のほうに住んでおり、家から学校までは片道1時間30分もかかっている。
そうすると、通学時間は”暇”になってしまうが、そんな暇な時間に付き合ってくれたのがKくんである。

というのも、Kくんも同じ最寄駅出身の武蔵生だったのだ。


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そんな彼との出会いは、中学1年生の4月下旬。
「たかじい」と呼ばれる相談室の主が、企画した謎のワークショップに参加した時のことである。ちなみに「たかじい」はあだ名であり、まさに”The 優しいおじいさん”であるからこそこのようなあだ名がつけられているのである。

ちなみに、僕も最初はたかじいのことはすごい優しいおじさんと思っており、今でもその印象自体は崩れていないのだが・・・

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高校1年生の頃、小便しにトイレに行った時のこと・・・

星野「たかじいさんこんにちは!」
たかじい「やぁ、やぁこんにちは!」

星野「(やっぱりいい人だ・・・!)」


たかじい「ぷぅ〜〜〜〜〜〜」

星野「うん!?(おなら!?)」

たかじい「んんぅ(咳き込む)」


そこから僕はたかじいと口をきいていない。

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ただこの時は、まだたかじいと疎遠になる前の話。

たかじいがワークショップを開いた。
あまり詳しいことは覚えていないのだが、おそらく好きな色を考えて同じ好きな色をもつ人を見つけるワークショップだったと思う。


僕は、当時同じ最寄駅にすむ武蔵生がいることは知っていて、名前も知っていたのだが実際に話したことはなかったのである。

だから、周りのクラスの友達は「こんなたかじいのワークショップだるいわぁ〜」って言ってる中、僕のKさん探しは始まった。


そして、その出会いは同じ”青色が好き”という単純なものだった。


星野「Kくん・・・?」
K「そうだよ!君が星野くん?」


彼は、経歴詐称はしない。ショーンKではないのだ。

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Kくんの最初の印象は以下の2つであった。

・圧倒的な頭の良さ
・ちょっとわがまま?


順に見ていこう!

圧倒的な頭のよさ

武蔵には基本的に頭の良い人がほぼ全員なのだが、Kくんはその中でもとびっきり頭がよかった。

武蔵の成績システムは3(一番悪い。1つあると留年もの)から10(最高)の8段階評価である。各科目に成績がつくのだが、それらの平均の数字が通知表もらった後の”成績トーク”に出てくる数字である。

この数字をもっとわかりやすく説明しよう!


神:成績9.0〜

この人たちは学年に5%ほど。成績トークでは自分たちの成績以外に必ずと言っていいほど「〇〇9点台らしいで」という言葉が飛び交う。

全ての科目において10が点灯しており、9すら足を引っ張る数字。まさに彼らは尊敬の眼差しで見られており、「頭がいい」と言うブランディングにもなるのだ。


できる方:成績8.5〜9.0

この人たちはいわゆる”できるやつら”である。この人たちは大抵の成績じゃんけんに勝利することができる。


普通:成績7.5〜8.5

この人たちは、ボリューム層。可もなく不可もない。この人たちが成績じゃんけんを主導し、その結果に一喜一憂しているといっても過言ではない。だが、8点台と7点台には天と地の差があり、自己ブランディングに大きく関わる。


おばかちゃん:成績7.0〜7.5

いわゆる「7点台前半」と呼ばれる人たち。この人たちぐらいから「平均より下」という評価が下されるようになる。

バカ:成績6.0~6.9

6点台前半か後半かでまたしても事情は変わるものの、「普通にやってれば6点台なんて取らない」と8点台に言われるレベル。

留年:成績6.0未満

あまりにも成績が低いため、教師会において名前が上がるようになり、進級会議にかけられる方々である。

ざっと上で述べてきたのだが、Kくんは9点台がほとんどであった。そして最後には9.5という破壊的な数値を叩き出し、「成績4皇」と恐れられる存在になった。

ちなみに星野は、中学1年生の時は8点台前半だったものの、徐々に成績が下落し高1の頃には6.9というどうしようもない次元にまでいってしまったのはここだけの秘密。

そうして、僕は6年間Kくんの近くで見てきたのだが、彼は頭がいいという以上に「努力する才能」があるんだと思う。

そして、勉強勉強!ってタイプではなく、面白いと思ったものにはとことんのめり込み、やりきる強さも同時にあるんじゃないかな。

俺が知ってる話だと、ジャグリングがうまい。ボールを彼はやっていたが、練習の時の集中力が他とは違っていたところがあった。そして、他にもボードゲームやスポーツも全般的に上手だった。あれ?実は天才的な部分もあったのかな???

英語が好きで、ハリーポッターシリーズを全部英語で読む授業を取っていて、すげーと思った。

大学に入ってからは、英語以外にも様々な言語に興味を抱き、勉強している様子を見ていると俺は何やってんだろうなと思うことが多い。

「好きこそものの上手なれ!」という言葉があるが、Kにはその言葉がぴったりだ。


ちょっとわがまま?

いいところもあれば人には欠点もある。僕が最初の頃にKくんに抱いたイメージは「ちょっとわがまま」なところである。裏を返せば「人に流されない」と最強の強みでもあるが。

僕と彼は同じジャグリング部に所属していたのだが、帰る時はいつも一緒に帰ることが多い。住んでいる場所は前述の通り、遠いため電車もいい電車に乗ろうとすると30分ごとになってしまうのだが、そうするといつも僕と彼の間ではこんなやりとりがなされる。

星野「今日は何分に帰る?」
K「17時15分かな」

こんな感じだ。そしてKはこれを厳守する。どういうことか?

例えば、練習が終わり部室でトランプで遊んでいた時のこと。ゲームが白熱し、区切りのいいタイミングが見つからなかった。

星野「区切り悪いからあと30分いようぜ」
K「俺は帰るよ」
星野「え?」

そして、僕はいつも彼についていく笑
「お前彼女か?」ってくらいついていく。僕は流されやすく、彼は流されにくい。

そんな印象だった。ただ、高校生ぐらいからはそんなことなくなった。周りに少し合わせるようになった。
僕は少しでもKくんに影響を与えられていたのだろうか・・・


という僕はかなりKくんに影響を受けていたのだ。


ある日のこと。
前日出された宿題をやってくることを忘れた僕は、Kくんに見せてもらおうとした。
それは初めてのことでなく、ここ数週間で数回目だった気がする。

だが、彼は快く毎回見せてくれるのだ。そんな彼の優しさに甘えるつもりはないが、だいぶお世話になったと思う。

だが、当時の自分はふと思うのだ。自分がKくんの立場だったら何を思うんだろう?と


まず何回もスリスリされるのはうざいと思う。人間ギブアンドテイクの関係が基本だと考えているため、ギブしっぱなしは辛い。何か見返りが欲しいとどうしても思っちゃうもんだ。

そして、宿題を見せるということは自分がそこに割いた時間を人にあげる行為でもある。
自分が1時間かけてやったものが、見せることで相手は5分で終わる。

人生損している気分になるのだ。


だから、今回ばかりは気が引けた。流石にやりすぎじゃないかと。
そして、なぜ俺は宿題を毎回やってくるのを忘れるのかと。


そうするとKくんは笑いながら
K「星野宿題忘れたん?」
星野「また見せてくれる?」

K「全然いいよ」

ちょうどいい機会だ。聞いてみよう!

星野「ねぇ。どうして毎回毎回俺に宿題見せてくれるの?ぶっちゃけムカつかない?
自分は何も俺から得られないのに」

K「全然」

星野「全然!?なんでそう思うの??」

K「自分って、特に自分に取って不都合なければ、そういうのどうでもいいんだよね〜」

星野「え!」

K「だってそうでしょ?自分が星野に見せたところで自分の成績が下がるわけじゃないんだし。レポート丸写しして、自分にもとばっちりがくるとかは嫌だけど。」


衝撃だった。うん。なんか新しい価値観に触れたときに、うぉ〜って込み上げてくるものがあるのだが、この時は相当込み上げた。

ギブアンドテイクだけじゃない。困っている人に恵むことの大切さをこんな事例だが、確かな衝撃を持って今でも僕の心に残っている。


ボランティアを大学に入ってするようになったこと、友達にレポートとか昔より見せるようになったこと・・・


彼とのあの思い出は、今の自分を作っているんだなぁ。と今この文章を書いていてしみじみ思う。

そういえば最近もKくんに会う機会があった。彼は何一つ変わっていない。
外見も昔からほぼ変化していない。

星野「最近何勉強してるの?」
K「物性かな」
星野「物性?」

来年の4月がらスマホゲーム作っている人間(僕)には疎遠な単語の響きである。

K「簡単にいうとものの性質についての理論中心にやるんだろうね」
星野「うん。難しいことだけはわかった」

研究職が彼にはぴったりだと思う。社会のルールとかしがらみとかに縛られることなく、彼には自分の好きなことをやって生きてほしい。


彼はかけがえのない友達だ。

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