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学生生活を終えて新社会人になる君へ

この文章はVoicyの3月25日配信分をGoogleドキュメントで文字起こししたものをベースにしています。今年社会人になった私自身の娘に呼びかける気持ちで話しました。

卒業おめでとうございます。振り返ると、いろんな苦労がありましたね。失敗もあった。そういったもの一つ一つを、努力して乗り越えて卒業、本当に嬉しく思います。おめでとうございます。

そんな君にまず伝えたいことは、これからの人生は自由だということです。新しい社会人としての生活が始まります。充実したものであることを祈りたいと思います。もしかしたらいつか、次のステップに行こうと思う時が来るかもしれない。悩むと思います。しっかり考えてください。考えた上で、どういう役割を自らが果たし、どういう仕事をこれからしていくのか、それは自分自身で決めればいい。

いつか好きな人ができるかもしれません。結婚するのか、独身でいくのか、それも自分自身で決めればいい。もちろん、子供を作るか作らないか、それも自分で決めればいいと思います。私は政治家という役割をしてるから、若い人がね、望む場合は結婚とか子供を作るとか、そういう選択ができるようにすることが役割だと思ってる。ただ、大人が若い人たちの様々な決断に口を挟むことは、いいことだとは思いません。あくまで、人生の選択は君自身ですればいい。そのことをまず伝えたいと思います。

自由をこれから享受することになるんだけど、その裏側には責任があるということは伝えておきたいと思います。私は昭和の時代に育ったからちょっと古いと言われるかもしれないけれども、親に頼らずに人生を切り開いていく力をつけてもらいたいと思います。まずは経済的な自立です。今の時代、親に頼らずに生活するのは簡単なことじゃないかもしれない。でも、まずはそれを目指してもらいたい。社会的にも自立をしてもらいたい。自らの行動から生じる結果について引き受ける覚悟がないと社会人とはいえない。自由の裏側にある責任を全うできてこそ一人前だということは伝えておきたいと思います。

ただ、誤解しないでもらいたい。困った時に助けを求めるのは決して恥ずかしいことじゃありません。大きな怪我をした時、病気をすることがあるかもしれない。その時は頼ってきてください。喜んで支えます。もしかしたら事業に失敗をして経済的に行き詰まることがあるかもしれない。それをしっかりと支えるのは我々の責任だと思ってます。

それを、背後に支える社会や政治が大事です。ありがたいことに先輩方の努力によって困難にある人たちを支えることができる社会がつくられてきました。これから私自身は政治家としてそれをさらに発展させられるよう頑張ります。その困難を社会に助けられて乗り越えた人たちがやがて支える側に回れる社会をつくりたいと思います。

もし君にやりたいこと、こういう仕事に就きたい、こういう人になりたいという明確な目標があるのであれば計画を立ててください。そして具体的にイメージをしてもらいたい。30歳の時に、君自身がどういう姿になってるか。そして40歳になった時にどういう立ち姿をしていて、君自身がどういう表情をしていて、そして周りにどんな人たちがいて、何を話していくのか。そんなことを具体的にイメージしてください。そしてそれを書いてもらいたい。そこで書かれた言葉やノートは必ずあなたの人生の道しるべになります。もちろん、人生というのは計画通り全てうまくいくような甘いものじゃありません。必ず挫折もあるし、失敗もある。その時はもう一度見直して書き直せばいい。そしてその道しるべに向かってまた次の人生を歩んでいけばいいと思います。

今の時代、がむしゃらに働くことを強要するようなことはあってはならない。かつて若い人たちがそれを強要されて苦しい思いをしてきた。そういう社会を私は政治家として変えていきたいと思ってます。体は大事にしなきゃダメ。精神的にも健康でいてもらいたい。ただ、若い人にはちょっと背伸びをして、努力をして成長していってもらいたい。これは楽しいことですよ。一番伸びしろのある20代30代の時は充実した日々を送ってもらいたいと思います。

小林秀雄は「天才というのは思考の持続、連続である」と言ったそうです。いい言葉ですよね。私も51年間生きてきて色んな有能な人を見てきた。天才もいたけど、本当に数は少ない。1つのことをとことん考えて、そしてそれを継続・持続してる人が有能な人なんですよね。そういう人生を私も生きたいと思ってます。参考にしてください。

最後に伝えたいのは、人との出会いです。ありきたりなようなんだけど、出会いが人生を変えるんですよね。私が政治家になりたいと言ったのは27歳の時かな、まだ君が生まれた直後でした。「やってみたらいいよ」と言ってくれる家族に私は恵まれました。本当に感謝してる。それがなければ今の私はありません。

高校受験も大学受験も失敗しました。政治家になってからも何度も失敗を繰り返してきた。その度に私は人に救われてきたんですよね。周りにそれを支えてくれる、助けてくれる人がいなければ今の私はありません。やっぱり人との出会いが人生を変えて、豊かなものにするということだけは伝えたいと思います。これからの時代、バーチャルに生きていくこともできる時代になるかもしれない。VRやAIを使って楽しい人生を生きることができるかもしれない。ただね、やっぱり人ですよ。人との出会いなくして本当に充実した人生はないと思います。人と出会って、とことん付き合って、時に傷つくかもしれないし、人と出会うとね、色んなややこしいことありますから、充実した人生を歩んでもらいたいと思います。

私が尊敬する人に安岡正篤という哲学者がいるんだけど、彼がこういう言葉を残してます。「人生の辛苦艱難、喜怒哀楽、利害得失、栄枯盛衰。そういう人生の事実、生活を勇敢に体験することです。その体験の中に、その信念を生かしていって初めて、知行合一的に自己人物を練ることができるのでありますよね。」「辛苦艱難、喜怒哀楽、利害得失、栄枯盛衰」いいことばっかじゃないんですよね。苦しいこともたくさんある。でも、そういう体験をなめ尽くしてこそね、人生は充実するんだ。どんな時も応援してるよ。

我々、親世代の責任(追記)

私のごくごく個人的な思いを皆さんにお伝えをいたしました。ちょっと暑苦しかったですかね。娘への思いもあって冗長的すぎたかもしれません。

最後に新社会人の皆さんに対して2つ約束をしたいと思います。1つは経済です。30年前、私が就職した時と今と比較すると、高校生も大学生もほとんど初任給変わらないんですよね。これでは、いくら皆さんに責任を果たせとか、努力をしたらいいんじゃないかとか言っても報われないですよね。経済的にはそうでない状況を、これから10年で作っていかなければならないと思ってます。

もう1つは安全保障ですね。中国が強大化してますので、新しい世代の最大の課題は中国とどう向き合うかだと思います。若い世代の皆さんには是非、世界中に友人を作ってもらいたいと思います。特に隣国である中国の人たちね。私も何人か中国に友人いるんですけれども、中国の人には共産党というものすごく強い縛りがあるということはわかっておいた方がいいと思います。日本という国家とは質的に全然違う存在ですから、どうしても個人の問題だけでは済まないんですね。

国家と国家としてやはり、中国にしっかりと向き合っていける体制を政治で作っていくしかないんですよね。経済力も、もちろん重要ですけれども、やはり安全保障ですね。中国に侮れないだけの日本は強さをしっかりと身につけなければ、これからの時代、厳しいものになると思います。これから10年か20年かでしょうかね、中国が強大な力を持つ中で、日本がその影響下で衛星国のように扱われるようなことだけはないように我々の世代が責任を果たしていかなければならないと思ってます。

私、あと何年できるかな、10年かな。やれるとこまで頑張りたいですね。そして次の世代への責任を果たしていきたいと思ってます。ぜひ、新社会人の皆さん頑張ってください。我々も頑張りますので。

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