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グリーンのある生活に憧れて

歳を重ねるごとに「花」の魅力に気づき始めた。
小さい頃は道端に咲くタンポポやシロツメクサ、蓮華など野生の花を摘んで帰ったりしていたけれど、それは母を喜ばせたくてやっていたことで自分がそれを飾りたいという気持ちはなかった。
一人暮らしを始めても家に花を飾ろうなんて発想は無くて、そんな食べられないものにお金をかける余裕もなかった。

それが30を超えたあたりから、花の癒し効果に引き寄せられるようになった。花屋さんの前を通るたびにきれいだなぁと眺めて、花を家に飾る生活に憧れ始めた。なんとなくドライフラワーではなく生花を部屋に飾っている人って私にとってとても「ちゃんとした人」なイメージなのだ。
週に一度お花屋さんでお花を買う金銭的&時間に余裕のある人で、毎日花瓶の水を変えることができ、色彩感覚やセンスを磨き四季を楽しんで過ごしている感じ。
なんて完璧なんだろうと思う。
そんな感じで形から入りたいだけなのかもしれないけれど、お花を飾る生活に憧れている今日この頃。

もちろん「花」に対しての魅力も感じている。
ただ花ってキレイだなぁと思っていた部分もあるのだけど、花って強さの象徴でもあると気づかされたことが大きなきっかけかもしれない。

少し前に友人に子供が生まれて「花」という名前を付けた。
かわいい名前だなぁと思っていたのだが、友人はかわいいだけじゃなくて強い子に育って欲しいから名付けたのだと。
友人曰く、地球が誕生して、いろんな生物が生まれて、滅んで、を繰り返していく中で一番進化し環境に適応しながら強く生き残っているのは植物なのだそうだ。未来にも命をつなげる為に植物が咲かせるものが「花」であり美しさだけではなく、逞しい生命力の象徴なのだと。
なので華やかな「華」ではなく植物の「花」にしたかったそうだ。
なんだかこの話を聞いてとても感動してしまった。

子供の頃はいくら駆除してもにょきにょき伸びてくる雑草に厚かましさを感じていたけど、社会の荒波にもまれて生きている今はその図太さに励まされたりもしてしまうのだ。
あの可憐な美しさの中に秘めた生命力に惹かれているんだと思う。

しかしサボテンを枯らした前科のある私にいきなりお花を育てたり生花をこまめに飾るような暮らしができるはずもないので、とりあえず近所の島忠で育てやすさ抜群と名高いポトスを購入しポパイと名付けた。
同居人の力に頼らず、強く生きてほしいという願いを込めた。
相棒、これからよろしくな。

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