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星栞カノン
2021年1月25日 22:53
それはいつかのどこかの話。 もう誰も覚えてはいない、とっくに消えた星での話。 その女の子は、ある日不思議な機械を拾いました。 それには女の子の手よりも小さく四角いディスプレイと、大きな丸いボタンが白と黒で2つと、ひとつひとつに違う文字や記号が刻まれた、40個の小さいボタンがありました。 持ち帰っていろいろと試した結果、どうやらこれは文字を打ち込む道具であると分かりました。 こんなものは
2021年1月1日 11:42
僕は花を飼っている。 まだ一歳にも満たないそのシレネは日光が大好きで、よくこっそり鉢を抜け出しては縁側に出ていた。 もう、などと言ったところで聞こえはしない。いくら花でも耳まではないだろう。僕はいつも通り無言で連れて植え直した。 お隣の信号が買い物に行くのが見える。青がチカチカ光っていて、きっと急いでいるんだろうなと思う。 角の生えた街灯にまとわりつく砂をじっと見つめて、僕はふと家の中へ