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いちばん好きなもの

「どうして占い師になったのですか?」というのはお客様からも受講生からも、初対面の方からもかなりの頻度で質問される。

特に占い師になりたいと思ったワケでもなく、「占いが好きで」と答えたい気持ちもあるけれど、実はそうでもない。

私の扱っているのは占いの中でも占星術というヤツで、これは私が占いの中で唯一好きで興味が尽きないと言えるものだ。

だから「占星術が好きで占い師になった」というのが答えなのかと思う。

冒頭の質問のあとに、「何で占星術だったのですか?」と続けて聞かれることもよくある。

「なんとなく」と答えたり、ごまかしてきたのだが、真面目に解答してみると、どうも占星術好きのルーツは「物語」や「文字」「歴史」が好きというところにあるのだろう。

私は小さいころは今よりもっと、とっても体が弱っちく、すぐ熱を出して寝込む子供だった。

熱に慣れていたので、高熱でもそんなにしんどいと感じなくて、布団の中ではヒマなのでよく本を読んでいた。

当時ハマっていたのが星座の本とギリシア神話の本で、その次が日本神話、旧約聖書だった。

生々しいファンタジー小説、昼ドラの神様版という感じで、世界の神話はほとんど物語として興味深く読んだ。どの神話もかなりストーリー的に面白かった。

また、小学生のころは、旧約聖書の最初の天地創造のシーンが面白すぎて、話が聞きたいがために教会に通ってみたりした。

その内、洗礼を受けたいと言いだして、母にすごく怒られたこともあったし、早起きして「心のともしび」というカトリックの番組を毎週見ていて、真剣に心配されたりもした。

今思えば、そのころの私は確か小学校2年~5年生くらいだったので、母の心配もわからないでもない。

キリスト教信者なのか?と自分でも一瞬思っていたが、実はただの物語としての「聖書好き」だったという事が後にわかった。

大人になった今でも、神話(聖書含む)に出てくる場所や歴史、古代文字や記号みたいなもの、その物語性が私を惹きつける。

1番テンションが変わらずに、長い事楽しめているのがギリシア神話で、これが実はものすごく占星術に関係している。

占星術では主に、太陽系の惑星と、星占いでおなじみの12星座をつかうのだが、惑星の名前はまずギリシアの神様の名前だし、12星座にはそれぞれの星座ごとにストーリーがあり、神話が紐づいている。

ギリシアの神様や神話を知っていると、占星術の解釈はかなり楽だと思う。

占星術で使うホロスコープ(星の配置をあらわしたもの)は、私の中では神が今、どこにどんな状態でいるのかをつづった物語を読んでいるようなものだ。

今、彼はこんな状態でここに居て、この神と仲が悪くて、この神と仲が良いというドラマのキャラクター相関図を楽しむみたいなものなので、私は毎回星の配置を読むことが楽しくてしょうがない。

また、毎回配置や配役が変わるので、飽きることなく読み続けられる。

私は小さいころから「いちばん好きなもの」を扱う仕事に就けた幸せな女だと思っている。

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