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校舎のA棟

またA棟の夢を見た。A棟とは、私が通学していた高校の校舎の1つだ。高校にはA棟とB棟があり、生徒は授業の殆どをB棟で受けていた。クラスの教室もB棟にあった。

ではA棟には何があるのかというと、1階に事務室や購買部。小さなパックジュース(ブリックパックだったか)の自販機と文化部の部室。2階は教科別の教官室。3階に商業実践室があった。
商業実践室は西側からしか入れなかったので、東側がどのようになっていたかはよく分からなかった。なので私はA棟の一部しか行ったことがなかった。A棟の廊下や階段は薄暗く、全体的に石のような冷たさを感じる校舎で、何となくどんよりとしていた。多分この校舎は1960年頃に建てられたのではないかと思う。今で言う『昭和感』を感じる造りだった。

A棟とB棟には連絡通路があった。確か2階が繋がっていて、B棟の3階からA棟へ行く時は、連絡通路の屋上を通っていた。私は連絡通路の屋上を通るのが好きだった。そこを歩くと外の空気や風を感じられて心地良かった。

部活はA棟で行われていた。1年の時は商業実践室の片側で行っていた。
商業実践室は1つの大きな部屋が真ん中で仕切られており、片方が東京・もう片方が静岡の部屋になっている。何をやるのかというと、2人1組で1つの会社(〇〇商店)を作り、東京側と静岡側の商店で実際の会社に近い取引をするのだ。帳簿をつけたり、商品を売り買いするために小切手や手形を発行した。郵便局もあった(それが真ん中の仕切りの部分にあった)。商業実践室はまさに名前の通り、商業実践をやるための教室だった。商業実践の授業は商業科の授業の総まとめの内容なので、3年生の時に行った。

ある日、部活の時間になったため商業実践室へ行くと、そこには誰もいなかった。私が1年生の時の部活はやる気のない人ばかりだったので、部活は無い日が多かった。なので私はそのまま帰宅することが多かった。

2年になると部活の部屋が変わった。東側の空き部屋のような場所だった。授業時にどのようにその部屋を使っていたのかはよく知らない。廊下も部屋も薄暗く、その冷たさからか幽霊が出そうな雰囲気を感じた。実際、部活の仲間が「あそこにいる!」とよく言っていた。私にはさっぱり見えなかったけれども。

そのA棟は私が卒業後に取り壊され、新たな校舎が建てられた。今ではB棟も無くなっている。

この話に出て来た部活については、また別の記事で話そうと思う。


話は戻り、私の夢の中にA棟が時々現れる。夢の中のA棟も実際の校舎同様知らない部屋ばかりだ。少し違うのは、実際の校舎よりも明るい雰囲気がした。
私の心の中にA棟の校舎の印象が強く残っているようだ。何度も夢の中に現れるのだから。

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