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音楽コラム

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#noteでよかったこと

認知症の方たちへ届ける音楽の役割とは

ヴァイオリニストでもある夫は、認知症の介護施設で働きながら、ご利用者さまのために毎月コンサートを企画し、先月とうとう、100回目を迎えることになりました。 周りからは、その価値が本当の意味では理解されていないとしても、わたしは家族として、また同じヴァイオリニストとして、誇らしい気持ちでいっぱいですし、彼を心から尊敬しています。 彼の想いに賛同し、数年前からわたしも度々参加させて頂いておりますが、全身全霊で真剣に聴いてくださる姿に、いつもこちらが癒されるばかりです。 皆さ

横浜イギリス館

同級生チェリストのリサイタルに、横浜イギリス館を訪れました。 わたしが通っていた音楽学校は、ソリストを数多く輩出する学校という特色もあってか、良くも悪くも横や縦の繋がりがなく、卒業後は一匹狼として、皆それぞれに音楽の道を切り拓いていきます。 そんな校風ではあるものの、3〜4年前に母校の先生の還暦お祝いオーケストラで再会してから、少しずつ親交を取り戻し、ここ数年はお仕事をご一緒させて頂くことも多くなりました。 チェリストの彼女とは、高校時代からカルテットを組んでいた30年

私の中の松岡修造(仮名)を手放す

クラシック出身の演奏家の大半は、幼いころから体育会系の練習と根性論を叩き込まれるせいか、大人になっても、限りなく低く設定された自己肯定感に悩まされるというのは、よくある話です。その結果、辿る人生は2択。 自分をいじめるか 他者を攻撃するか 幸か不幸か、わたしは前者となって、DVを始めとした様々な暴力を、数十年に渡り引き寄せ続けた訳だけれど、先日、体のケアをお願いしているRさんから、ニューロオリキュラを受けたところ 「ハートのうしろに、暑っ苦しい情熱の塊みたいな存在がい

生命の瞬きを閉じ込める

先日、aiさんの素敵な作品が、おうちに届きました。 お部屋の中にパッと春の息吹を感じる、サクラとビオラの押し花カード。 なんと美しく、可愛らしいのでしょう! aiさんの作品は、生命の瞬間を、そのまま平面の中に繋いでいるかのよう。 生き生きと立体的で、今にも香りがしそうな押し花は、誰にも真似できない、愛から生まれた手仕事だと思います。 お花たちもニコニコと喜んでいるのが伝わってきて、とても嬉しくなりました。額に入れて、これからも大切に飾らせていただきます。 さて、わ

仕事とは愛を目に見える形にすること

改めまして、4月10日のバイオリンリサイタルにお越し頂いた皆さま、遠くから応援してくださった皆さま、ほんとうにありがとうございました! クラシック音楽は、宗教や時の権力者との、切っても切り離せね密接な関わりで発展していった側面もありますが、そういった流れには迎合せず、自分の音楽を貫き通した「ベートーベン」という稀有な作曲家を軸に、彼に影響を受け、のちの時代への架け橋となった作曲家を集めて、プログラムを組んでみました。 曲目解説にも書きましたが、リサイタルの1曲目に演奏した

作曲するように 言葉を綴る

人生の大半をバイオリンと共に過ごしてきたから わたしの心と音は直結していて、制限がない。 一方 物を書くことは、心になるたけ近い言葉と音 リズムとテンポをさがす、作曲のよう。 どちらの根底にも、目の前の尊い命に対する感謝がある。 この画面の向こう側にいる、あなたへ きょうも ありがとう