金型流用による見立ての美学考

子ども向けの鉄道のおもちゃやミニ列車の遊具などは、主に制作コストの削減を企図して金型の流用が行われることが多々ある。

有名なところでは、トミー(現:タカラトミー)の「東海型急行電車」の金型で185系や阪急6300系も制作されたというものがある。

最近の若い鉄道ファンの間では、金型流用の少ない専用設計のものが好まれるが、私は、この金型流用には日本の伝統文化たる落語や枯山水などに通じる「見立ての美学」があるのではないかと感じている。

コスト削減のための手抜きといわれてしまえばそれまでという面はあるが、それでは寂しいし、色の塗り方によって全く別のものに見えるというのもまた事実である。

同じ金型の色を変えるだけでそれらしく見せる、この技術が後世にも伝えられていくことを願っている。

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