見出し画像

【詩】チューニング

チューニング
チューニング

あー、あ、あ、あ、

僕の声は聞えるかい
僕の姿は見えるかい

聞こえているね
ありがとう
姿は見えないか
なるほど

君たちの構造は
この世界のラジオに似ているね
君の脳がアンテナで
君の想像力が同調回路
君の気持ちが検波回路
君の身体がスピーカー
ってところかな

ただ
この周波数の人間は
アンテナをケチっている
これじゃあ想像力が昇っても
見える世界は変わらない

神隠し
未確認生物
天国と地獄
幽霊や妖精の類
蛇と亀と像が支える世界

全部嘘だと思うなら
やはり君のアンテナは安物だ
拾えていないだけなのさ
君たちを造った奴が
大事なところをケチったんだ
とんだ素人だ

いいかい
ズレてみな
いつものリズムから
半歩
一歩

そしたらお次は
ブレてみな
視界はクリアに
秒針が隣へ隣へ
滑るように

君の想像力は悪くない
気持ちはときめいている
あともうちょっと

空想でもない
妄想でもない
全部重なって同じ場所にある
周波数が違うだけ
いつも側にいるよ

星の穴から覗いているね
手を振ってごらん
受け取るんだ
彼らのリズムを

チューニング
チューニング

そろそろ僕はもうひとつ隣に行くよ
またね
72MHzの君


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

こんなにも想像力を働かせられるのに想像の世界は本当にないのだろうか。
本当は存在しているけれど、僕らの性能が足りないのだろうか。
自作PCを使っていますが、BTOパソコンって値段をケチるとグラフィックボードは高性能なのにCPUの性能が物足りなかったりしますよね。
僕らはBTOでお金をケチって造られたPCのようなチグハグな性能の生き物なのかも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?