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二十歳前後、魔境の思い出にリンク|『最後の秘境 東京藝大』

やっとうちのあたりの金木犀もいっせいに花盛り。
そばを通るのがついスローになる。
窓を開けてても甘い匂いがのぼってきてうれしい。

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いつも素敵なある御方からお借りした一冊。
広ーいお庭の金木犀もいっしょに届けてくださった。

そして採れたての菊芋も!さっそくスライスして素揚げ。
青のりかけてもおいしかった。

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いやはや、秋ですなぁ。

福岡の秋といえば、の、本のイベントもはじまってますなぁ。

各種催し&企画の中でも毎年楽しみにしている
ブックオカ婦人部のみなさまによるミニコミ誌『読婦の友』。

今年さいしょの一冊目は大楠のお花屋soelさん&本屋yometaさんの
お店先にていただいた。

soelさんでは月桃のドライの実を。
渋いオレンジの房の中、ピンクがかったグレーの実がなんともいえず
イイ様子。(スパイス的にお魚料理にも使えるみたいですヨ、と
店主の方から教えてもらった)

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同じ日、帰宅したら
お友達からも『読婦の友』数部が、お便りといっしょにポストに!奇遇!

ちょっと上の、あるいは同い年くらいの女性たちの、
オトナなおしゃべりの輪に混ぜてもらってるようなドキドキ感。


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お借りしている『最後の秘境 東京藝大』では、
初っ端からハチャメチャ(美校)とハイソサエティ(音校)の
カオスを楽しませてもらっている。


いっしょくたにしてしまうにはあまりにも雑だけど、
読んでいると、かつて通った大阪芸大のキャンパスが思い出されてくる。

ときどき管楽器やピアノの音が聞こえてきたり、舞台芸術学科のヒトたちのレオタード姿を見かけたり。

とある学科に、男の子なのか女の子なのか、
とうとう卒業するまでわからずじまい、(今もって謎)
往年のイギリス女優、ツィギーみたいにシュッとした憧れの君がいて、
構内移動のときとか、学食で見かけたときは遠巻きに視線を飛ばしては
あんなふうになりたい、、、と淡い闘志を燃やしてた。

恋というより、友達のひとりになりたかったんだよなー。


…なんてゆう、自分の思いに今ひとつ確かさを持てない若さと
隣り合わせだったのは、たくさんの刺激をくれる色とりどりの在校生や
先生方の姿と、思い思いに表現を試みての課題提出と、
バイトに明け暮れる日々。

彫刻科の棟の、どことなく近寄り難いワイルドさ、
急に奇声を発したり、ダンボールを“着る”同クラスの留年生、
わがデザイン学科の男性教員K端先生は、
(今も教鞭をとっておられるのだろうか?)
山菜採りしながら裏山からヌっと現れたりとかも…

繊細さも豪胆さも併せのむ、母校“大芸”は、
なかなかにおおらかな魔境…もとい、サンクチュアリだった。


『東京藝大~』著者が作品中でレポートしているように、
音楽系の学生なのか美術系の学生なのか、
服装で一目瞭然なところは大芸にも通ずるところあり。

ブラウスにフレアスカート、足元はかかとの高い靴、っていう女の子や、
ジャケットに細身のパンツスタイルの男の子なら、
楽器ケース担いでなくても音楽系と見てほぼマチガイない。

美術工芸系は作業着・つなぎ、首にタオル、街着の上からインクまみれの
エプロンとか。あるいは思いっきりモード系に振れているか、
多国籍系、たまに上下緑の大芸ジャージとか。
懐かしい。

工芸学科の女子は、ガテン系なこともこなしつつメイクやネイルも上手、
という印象を今でも持っている。

新校舎が林立して、すっかり様変わりしてると伝え聞くばかりだけれど、
またいずれ潜入してみたい。

などと思い返しながら、舞台を河内の近つ飛鳥から
東京上野にビューンと戻して、
全編読むのが楽しみな『最後の秘境 東京藝大』。

各校、学祭シーズンでもありますなぁ。

星の一葉 ⁂ 図書係


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