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【ライブレポート】2020/8/21 Wake me up!!! vol.24 -真夏の二週連続スリーマンライブ- 第二夜


まだこんな世界になる前、正確にはこんな世界になりかけだった2月下旬。LOW IQ 01のライブを観に新代田FEVERに行ったのを最後にライブハウスからは遠ざかっていたこの半年。

アーティストたちはライブの延期や中止を余儀なくされ、配信ライブへと切り替えて活動してきました。しかし、ここにきて徹底的な感染対策を施したうえで人数制限もし、ライブハウスでのライブも少しずつ動き出しています。

そんな中で自分もついに、ライブハウスへの復帰を果たしました。下北沢GARDENで開催された【Wake me up!!! vol.24 -真夏の二週連続スリーマンライブ- 第二夜】というイベントです。


主催は杉本タイチさんという方で、出演するのは若手3バンド。

■サヨナラの最終回
■ヒトリヨブランコ
■Navy Sugar

サヨサイのみ、曲やMVはチェックしていましたがライブを観るのは初めて。他の2バンドに関してはライブ前にMVで予習した程度という距離感です。それでもライブハウスに足を運べること自体が嬉しい。


下北沢の駅を降りて、マクドナルドの横の道を歩き、ファーストキッチンのある十字路を右に少々歩けば、本日のライブを告知する看板が。こういう写真を撮るのも半年ぶり。

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左手にある階段を降りると、最初にお出迎えしてくれるのは受付スタッフの笑顔…ではなく消毒液。手に吹きかけてまずはしっかりと消毒。受付で検温ののち、名前と年齢、電話番号を告げてスタッフさんがそれを記録する。

ハコの中に入ればフロアにはディスタンスを保って等間隔にT字に貼られたガムテープ。全員マスク着用で、このガムテープ位置を基準にスタンバイ。

主催のタイチさんが「ライブハウスにお帰りなさい」と挨拶し、いよいよライブが始まります。

■Navy Sugar
ライブを観た感想としては、歌をストレートに伝えるギターロックバンド、という印象でした。バンド全体的に文系の匂いが漂いつつも、ギターのゆめひとくんが後半になるにつれてヒートアップしてアグレッシブなパフォーマンスを披露。ベースのもっちーくんはニコニコしていましたが演奏自体はクール。ドラムのKeiくんは、KONCOS太一くんばりのスタンディングドラムをかます一幕もあり、観ていてちょっと興奮しました。


ボーカルの堀内くん。今日の3バンドは同じ大学の音楽サークル出身だそうで、このイベントについて、まるで県大会を兄弟で戦うみたい、と表現。この「戦うみたい」という言葉に、おとなしそうに見えて心の中では火花が散ってるのかな、なんて思ったりもしました。

アメリカにいる友人がNavy Sugarの音楽を聴いてくれていたことを知り、音楽を作ることの意味ややりがいについて思うところがあった、というようなMCも。


それにしても、ここ数年の若手バンドはみんなしっかりまとまっていて演奏が上手ですね…!

セットリスト
1.star
2.Labyrinth
3.透明
4.吐息と火傷四角囲みnew
5.浸透
6.日々の結晶
7.フルスロットル
8.daylight


■ヒトリヨブランコ
ギターボーカルのカエデくんとギターのけえくんの2人組プラスサポート2名という編成。ちなみにサポートドラムは先ほど出演していたNavy SugarのKeiくん。連投です。

こちらはやや癖のあるカエデくんの歌声が印象に残ります。ちょっと少年性のある繊細な声。めちゃくちゃ歌が上手でもまったく印象に残らないアーティストがいる中で、この声はひとつの武器になりそう。

1曲目早々にギタートラブルが発生してしまいライブが中断してしまうのですが、その間少しだけMCをしてあとは復旧を待つ、というスタイル。正式メンバーの1/2が復旧作業にかかりっきり、という状況でなかなか厳しかったかもしれないですね。

けえくんのギターはとても切れ味がありました。復旧後はトラブルを払拭するプレイでカッコよかった。佇まいにも雰囲気があります。

サポートで入っていたベースの彼、かなりの美声だったなあ。コーラスとして気になる瞬間もありましたが、綺麗な声は印象的。

サポートドラムのKeiくんも連投とは思えないくらいパワフルなドラミング。


ライブが終わり、誰よりも深く、そして長くお辞儀をしていたカエデくんの姿にちょっとグッときてしまいました。

セットリスト
1.信仰心
2.かみのけ
3.笑気の沙汰
4.遠足
5.赤裸々な日々よ
6.神様ノ言フトヲリ
7.HI...JK


■サヨナラの最終回
トリを務めるサヨサイ。第一印象としては、この4人には華があるなあ、ということ。彼らがいちばんの目当て、というお客さんも多いようで、いつも登場時に行っているらしいサヨサイのアクションにもしっかり反応しています。

めちゃくちゃクオリティが高いMVが強烈な個性を放つ「才或る兎は侮らなゐ」に代表されるダンスナンバーから、既存曲でありながらこのコロナ禍においてエモさを誘発するミディアムナンバー「キャッチャーインザライブハウス」までふり幅豊かなセットリストです。


自ら「4ピースエンタテインメントロックバンド」と謳い、それを証明するべくステージ上でも魅せるパフォーマンスを意識している、そんな印象を持ちました。今日のどのバンドよりもライブ中、積極的にメンバー同士が絡んでいたり、フロントの3人が同時に左足を上げるアクションを披露したり。

わちゃわちゃできるような環境が最も本領発揮できるバンドなのかもしれませんが、この状況においてどう魅せるか、という試行錯誤も感じながら、こうしてお客さんと直にコミュニケーションを取ってライブができる、そんな喜びにも溢れているように思いました。



場所としてのライブハウスには戻ってこれましたが、コロナ以前の自由な遊び場とは異なり、制約はたくさんあります。いつ本当の意味でただいまと言えるのか、あるいはもう、以前のような楽しみ方はできなくなってしまうのか。

どうなるのかはまだまだ不透明ですが、それでもまずは第一歩。ライブハウスのステージでバンドがライブをし、観客がフロアでパフォーマンスを観て聴いて楽しむ。その光景を実際目にすることができて、ただただ嬉しかった。


感染症を防ぐために各自ができることをやりながら、可能な範囲でまた音楽を味わっていきたいと思わせるイベントでした。


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