新緑の記憶。
今年の5月下旬、長野県の小布施町へ行った。
駅に降り立ち、途端になつかしさがこみあげる。
数年前までは毎年訪れていたのだから、
地元ではなくても「なつかしい」という感覚になるのは、
わたしにとっては自然なことに感じられた。
行きたいところが数カ所あって、なかでも今回一番来たかったのは
駅から少し離れたところにある「歴史民俗資料館」。
ここは土日祝のみ開館しているため、今までは日程が合わずに
来られなかったのだ。
昔、小学校だったという建物のなかに入ると、受付の男性が顔をだす。
訪れたのは昼頃だったが、わたし達が今日はじめての来客だったらしく、
歓迎してくれた。
建物内で撮影した写真はSNSにあげてはいけないけれど、
自分の資料用としてならいくらでも撮っていいですよ
と言ってもらったので、
お言葉に甘えて、興味のあるものは写真を撮った。
学校だった面影を残す教室もあれば、
旧石器時代から平安時代までの発掘品を展示する部屋もある。
2階は、小布施の人々の暮らしが分かるように
あらゆる生活用品が置かれていて、
いまや懐かしい昭和家電や、
衣服や靴や、箪笥、
機織り機などもあった。
小布施町の子ども達は、ここで昔の小布施の様子を学ぶのだろうか……
と想像して、いいなぁとうらやましく思った。
自分たちが生きる時代よりも遙か昔に遡り、
旧石器時代から人々がこの地で生活をして、
その痕跡のうえに生きているという不思議さは、言葉では言い表せない。
とても見応えがある、いい資料館だった。
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