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お題『雨』2023.5.7

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お題『雨』 *どなたでもご参加いただけます。 *晒して楽しい、晒されて楽しい!Win-Win なマガジン♪ *ご利用になる際は、著者の規約に従ってください。規約がない場合でも、自… もっと読む
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2023年6月の記事一覧

雨の記憶 page5 section 2−1

 7月中旬になった。  あれからも何度か深川さんは店に来た。  相変わらず、大した話はできてないが、ちょくちょく注文をもらって、届けては少し勉強を教え、マスターも気を使ってなのか頻繁に休憩をくれるようになり、少し距離が縮まったと思っていた。  それが1週間ほど、日程で言うとテスト最終日の前日まで続いた。  そんな日々を過ごして、ある晩に家で疑問が頭に浮かんだ。  それまで浮かばなかったのも不思議なくらいだが、なぜ深川さんは雨の日にしか店に来ないのか。  何か雨の日じゃなきゃい

【詩】傘になりたい

ザーザーと雨が降る キミの心に雨が降る 不安という雲から 悲しみという雨が降る シトシトと雨が降る ボクの心にも雨が降る 何もしてあげられない自分が もどかしくて… こんな自分に腹が立って… ボクは…ボクは… 頑丈な 上等な 傘では 無いけれど ボクはキミの傘になりたい それがボクの出した答えだ

【短編小説】涙雨の公園

【朗読】涙雨の公園 雨は、降り続いている…… なんで…ここに呼び出したの?? 誰もいない公園は ひっそり としていた 「幸せになってね…好きでした」 と過去形にした アナタは、頷(うなず)き 振り返らず 傘を前かがみ に持ち いそいそと去っていく… たぶん何かを言ってくれたと思う でも雨とワタシの心の雨のせいで 聞こえなかった アナタの背中が滲(にじ)んでゆく… 思い出の公園はワタシの為に 涙を流してくれているようだった 「こんな時にまで強がって… バカみたい