うさぎが一羽
踏んだり蹴ったり、転がりながら
今日も、息をしているよ
ごめんな。って
力不足を責められなかった日
運転席にはうさぎが一羽
この姿じゃぁ、寄り道もできないね。なんて
お月さまみたいに まるまって、もこもこ
鼻も、長い耳も
まるめてまるめて、ぎゅうっとさ
トクトク、鼓動も きこえないくらいに
踏んで、蹴って、転がって
そりゃぁ、汚れも傷も、痛みだって
癒やす先から増えては滲み
癒える前に重なって
ちいさな部屋にはうさぎが一羽
お月さまにはなれないから、さ
紅い眼で鼻を鳴らして
今日も、息をしているよ