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ほんのひととき

足もとまで届く光のなかで
あなたの心が好きだと思った
あなたの形を愛しいと思った
 
砂利の敷かれた坂を上る
吹雪は止んで 鳴らした奥歯も、静か
 
私にもたらされた光だ、なんて
そんな思い上がったことは言わない
口には、出さない
 
けれど
『ここ』に降るあたたかさがじんわり、解けて
随分先にある、春が
すぐそばで、笑った気がしたんだ