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【読書ノート】数学の勉強を再開する前に、『君と紡ぐソネット ~黄昏の数学少女~』を読んでみた。
今回は、講談社ラノベ文庫から出ている『君と紡ぐソネット ~黄昏の数学少女~』という本の紹介です。 第12回講談社ラノベ文庫新人賞<優秀賞>を受賞した異色の数学ラブコメです。
本書を知ったのは、2年ほど前にYouTuberのヨビノリたくみさんが出演している「ほんタメ」というチャンネルで紹介されていたのがきっかけでした。当時高校2年生の娘の数学の勉強に役立てばと思い、購入してみたのですが、結局は私が読むことに。娘は学校の勉強で手一杯で、本を読む時間がないとのことでした😅
最近、放送大学の授業で数学の必要性を感じ、この本のことを思い出し、再読してみました。
「ほんタメ」はヨビノリたくみさんと齋藤明里さんの2人がおすすめの本を紹介してくれる番組で、小説から理系の本まで様々な本を楽しく紹介してくれている楽しい番組です。
あらすじ
主人公は理系なのに数学が大の苦手な高校3年生、関数馬。彼が数学を通して成長していく青春ストーリーです。
彼は同じクラスの「数学の女王」と呼ばれる志村有理に憧れており、そんな有里から数学の神様がいるという神社を教えてもらいます。
有里に近づくために、藁にもすがる思いで、その神社を訪れた数馬は、そこで謎の天才数学少女の神様・高木環と出会います。環は数馬のスマホに入り込み、彼を数学の世界へと導いていきます。数馬は環の特訓を受けながら、有理との距離を縮めるために数学の力を磨いていきます。
数学の勉強にも役立つ内容
本書には、次のように、数馬と環のやり取りの中に、受験数学の勉強法に通じるヒントがたくさんあります。
公式や定義の意味、使い方を意識することの重要性
《ちょっと話は変わるんだけど、将棋とか囲碁のプロ棋士が差した手を盤上に再現できるのって、どうしてか知ってる?》
「え、あんま考えたことなかったな。記憶力がいいからとか……あ、定石も多いから?」
《そうそう、近い近い。ほとんど正解かも。答えは、差した手に意味があるから……なんだよね》
「ほう」
《一手一手に、ちゃんと戦略とか目的があるから覚えられるの。対局相手の手もそう。駒の動きに意図があるから全部覚えられるんだよ》
言いたいことがなんとなく分かってきた。
《数馬は今まであんまり公式とか定義の意味、あとは使い方とか使うタイミングを意識してこなかったんじゃないかな》
問題を解く(写す)際に、なぜその解法を使うのか意味を考える
問題文を読み、ちょっと方針を考えたらすぐに解答を写す……こんな勉強法はいかにも成績が悪い人がやりそうなものに思えた。
それでも環は《ちゃんと意味を考えて写すのは、今の数馬に有効》、《普通に写すだけじゃ無駄だから、自力で思いつけるかどうかを考えながら写して》と繰り返していた。
志望大学のレベルによりどのレベルの問題をやれば良いかを見極める
【受験数学の問題】
・典型パターン問題:中堅大学まで
・典型パターンを組み合わせた応用問題:準難関大学
・典型パターンと発想パターンが必要な難問:難関大学
典型パターンと発想パターンの違い。発想力が必要な問題の解き方
《この「難問に必要な発想」を身につけちゃえばいいの……この作業を暗記って呼ばない人は、受験数学は暗記じゃないって言うと思う。でも、伝えたいことは同じ》
「典型パターンよりも難しい解き方も暗記しろってことか?」
《そんな感じ。典型パターンが「こういうときはこうする」なら、発想パターンは「こういうときはこう考えると良い」だね。もっと抽象的で柔軟なイメージ》
「発想パターン、か」
《視点とか角度を変える感じかな。典型パターンは機械的だけど、発想パターンは記憶の中から似たような状況がなかったか探してくる作業》
「記憶の中から、探してくる……」
《とりあえず、数馬の場合は難問の解き方を大量にインプットして、それに慣れてほしい。完答力もつくしね。そうやって発想パターンを増やせば、行き詰まったときでも違う角度からアプローチできたりする》
数学の学び直しに向けて
今読んでみても、娘にもこの部分をぜひ理解してほしかった…そう思いましたが、今は大学生になり楽しそうに過ごしているので、良しとしています。
それよりも、今は自分。(笑)
数学の学び直しをする上で、この本に書かれていることも意識しながら、高校卒業程度の数学力が前提とされている大学の勉強を進める上で必要な数学力を身につけられるようにしたいと思います。
まとめ
『君と紡ぐソネット ~黄昏の数学少女~』には、数学の問題などもたくさん出てきます。わからないところはだいぶ読み飛ばしましたが、それでも、面白く読むことができました。読了後は数学をやってみたくなるかもしれません。(笑)
最初の方に「完全数」というのが出てきていました。「素数」はわかるけど、「完全数」って何?状態でしたが、一旦保留にして読み進みました(苦笑)
Wikipedia 「完全数」
『君と紡ぐソネット ~黄昏の数学少女~』が紹介されている回の「ほんタメ」